高崎の食品工業 スイーツ集積が加速(2)

(2019年10月31日)

高崎がアイスクリームシティに

新町でハーゲンダッツ

高崎のアイスクリームと言えば、ハーゲンダッツのアイスクリームを製造する新町のハーゲンダッツジャパン群馬工場(本社・東京)が知られている。同工場は、新町のイチョウ並木通りのタカナシ乳業群馬工場と並び、新町の人たちにはお馴染みだ。ハーゲンダッツが高崎で製造されていることは、公式にはあまりリリースされていないようで、公然の秘密のように扱われることもある。アイスクリーム容器には製造所として高崎市新町の住所が記載され、ハーゲンダッツが高崎で製造されていることは、多くの人の知るところとなっている。

タカナシ乳業の生産拠点は、群馬工場とは別に、国道17号沿いにタカナシ乳業北関東工場があり、クラシエフーズ新町工場と隣り合って立地している。

 

国史跡がアイスクリーム工場に

このクラシエフーズ新町工場では、明治10年に操業開始した旧新町紡績所の建物を保存し、工場として現役稼働させている。旧紡績所の建物5棟が国の重要文化財に指定されており、富岡製糸場と並んで日本の産業史を語る貴重な文化財だ。

 

新町紡績所は官営工場から民営に移行し、経営する企業が変遷したが、歴史ある建造物を大切に保存してきた歴代企業と地域住民の取り組みには敬意を表さなければいけないだろう。

 

クラシエフーズ新町工場では冷菓製品、つまりアイスクリームが製造されている。「ヨーロピアンシュガーコーン」という子どもたちに人気のロングセラー商品もその一つで、同社のホームページによれば、この商品だけで年間に1億本を生産しているそうだ。

 

森永第3工場もアイスクリーム計画

昭和40年に倉賀野工業団地(宮原町)に操業したキリンビール高崎工場が平成12年8月に閉鎖し、その跡地に森永製菓の旗艦工場が子会社の高崎森永株式会社(渡辺秀治社長)により、平成23年8月に生産を開始した。この第1工場に続いて、平成25年に第2工場が操業。同年、隣接してバリーカレボージャパンの業務用チョコレート製造工場が建設された。バリーカレボーはスイスに本社を置く世界企業だ。

 

高崎工場では「ハイチュウ」「カレ・ド・ショコラ」「森永ビスケット」などが製造されているが、更にチョコレート主力製品の生産拠点を高崎工場に集約する計画を示し、第3工場が今年4月に着工、現在、建設が進んでいる。

 

昨年6月に発表された第3工場の計画では、チョコレート製品の集約化が示され、更に今年5月、アイスクリームの主力ブランド「チョコモナカジャンボ」と「板チョコアイス」の生産ラインを新設することも盛り込まれた。第3工場は、2020年4月に竣工、同年9月にチョコレートの生産ラインが稼働、翌2021年4月に「チョコモナカジャンボ」などアイスクリームの生産ラインの稼働を予定している。

 

ハーゲンダッツ、クラシエフーズに加え、高崎森永でもアイスクリームが作られることになり、高崎はアイスクリームシティになっているとも言えよう。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2019年9月号

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