これから進む都市整備(7)

(2020年05月30日)

高崎市立地適正化計画


コンパクトシティで都市機能を維持

人口減少しても人口密度を維持するために

 

緩やかなコントロールとインセンティブ

地方都市では、急速な人口減少と高齢化による地域活力の低下が懸念されている。都市の成長によって、ニュータウン開発など住宅や商店など郊外に拡張し、道路や電気、上下水道など都市インフラも拡張されてきたが、人口減少等により郊外の市街地が低密度化すると、整備効果も薄く、整備のための予算確保も難しくなってくる。

 

町内や集落の人口が減少すると、地域コミュニティは維持できなくなり、やがて限界集落と言われるような危機が訪れる。厳しい地方財政の下で、広範囲に拡散した居住者を支えることは、行政効率が悪く、全ての市域で満足度の高い住民サービスの提供が将来的には困難になると考えられている。

 

高崎市は、こうした将来的な都市課題に備えるため「コンパクトシティ」の方向性を定める「高崎市立地適正化計画」を策定し、令和2年3月31日付けで公表した。

 

コンパクトシティは、高崎駅周辺や、支所、鉄道駅などを中心に形成されている各地域の拠点エリアに、商業やサービスなどの生活上必要な機能を誘導していこうとする考え方で、制限や規制ではなく、届け出や勧告など緩やかな立地コントロールと経済的なインセンティブを組み合わせ、市街地の更なる拡大を抑制する。

 

ネットワーク型コンパクトシティ

高崎市では、都市機能誘導区域、居住誘導区域の拠点エリアを想定しており、時間をかけて集約化を推進し、各拠点をつなぐ「多極ネットワーク型コンパクトシティ」をめざしている。

 

都市機能誘導区域として、都心拠点となる高崎駅周辺地区、サブ拠点となる高崎操車場跡地周辺地区、問屋町周辺地区、地域中心拠点として群馬支所周辺地区、新町支所周辺地区、箕郷支所周辺地区、榛名支所周辺地区、吉井支所周辺地区を設定し、都市計画区域外となるが倉渕支所周辺地区においても地域形成をはかる。

 

居住誘導区域は、都市の中心拠点及び生活拠点、各地域の中心部等、都市機能や居住の集積、鉄道やバスなど公共交通などのアクセスに優れたエリアが考えられている。

 

人口減少下にあっても一定のエリアにおいては、人口密度を維持し、生活サービス機能や地域コミュニティの持続性を確保する。

 

病院や子育て支援センター、商業施設などの都市機能と居住を一定範囲内に誘導し、車が運転できない高齢者などの生活の利便性の確保、需要の高まりが想定される医療資源、送迎・訪問介護等の福祉サービスも効率よく利用・提供できるようになる。

高崎商工会議所『商工たかさき』2020年5月号

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