新型コロナ/努力と新発想で経営を盛り返す(3)

(2020年06月30日)

苦境から再建する飲食店


市内130店舗が参加する「高崎飲食店応援チケット」

行きつけの飲食店、お気に入りの飲食店を応援するため、手数料不要で、すぐにお店が運転資金を調達できる仕組みとして「高崎飲食店応援チケット」事業が5月8日から始まった。

お客様とお店の絆を基盤に、各飲食店専用の前売り食事券のシステムを、高崎全域で展開するという前代未聞の大胆な事業だ。

こうした現金を伴う事業の運用は、まず管理システムを構築したり、煩雑な手続きを伴い、実現まで時間がかかりそうだが、新型コロナウイルスによる直接的、間接的な被害は未曽有の規模になり、市内の事業者は「今、困っている」状況だ。対応はスピード感が重要であり、まさにこの「高崎飲食店応援チケット」は、飲食店がすぐに現金を手にしてもらえる取り組みだ。

 

なじみのお店でチケットを購入してもらい、そのチケットは令和7年いっぱいまで販売店でのみ使用できる。万が一、購入したお店が無くなってしまった場合は、高崎商工会議所が払い戻すことになっている。お店を応援しようという客の気持ちと、客の期待に応えて店を続けていきたいという店主の意気込み、お互いの信頼がこの事業を支えている。

 

チケットは一枚500円。店舗当たりの販売上限は100万円まで。お客様への販売は3,000円(6枚)以上としている。販売価格は、各店舗で決めることになっているが、1割以上の顧客還元を各店舗で負担してもらう。

 

例えば3,000円分のチケットを1割引きの2,700円で販売する、1万円分のチケットを2割引きの8,000円で販売するなど、お店の裁量で運用することになっており、このお得感をお客様に感じてもらう。

 

販売期間は令和2年5月8日〜12月31日。チケットには店舗印などを押し、使用期限は令和7年12月末日。

 

反響は大きく、参加店は現在130店舗を超えている。参加店には共通のポスターやフラッグが掲示されている。

 

参加店舗は、本事業の趣旨に賛同し市内に店舗があり、次の団体等に加盟している飲食店を対象としている。

高崎商工会議所、市内各商工会、群馬県飲食業生活衛生同業組合高崎支部、高崎食品衛生協会、高崎観光協会、その他実施運営者が認める店舗

これをきっかけに、多くの飲食店が各団体に加入し、様々な経営安定支援や、地域活性化の取り組みに関心を持ってもらうことも狙いの一つだ。

 

実行委員会の青島真一副実行委員長は広報たかさき5月15日号で「新型コロナウイルスの影響で、市内の飲食店も売り上げが落ちているなどの声を聞き、手助けができないかと応援チケットという仕組みを考えました。市民の皆さんにチケットを購入してもらうことが飲食店の支援になります。皆さんがチケットでお得に食べたり飲んだり。この状況をみんなで乗り越え、高崎の食文化を守っていきたい。飲食店の人にはぜひチケットを活用してもらいたいです」と話している。

 

問合せ・申込み

高崎商工会議所内「みんなで盛り上げよう高崎のお店実行委員会」

(電話:027―361―5171)

高崎市内の6商工会、高崎観光協会、高崎市役所産業政策課でも受付している。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2020年6月号

 

 

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