逆境で進化「ウィズコロナ」の飲食業(3)

(2021年02月27日)

営業の継続・雇用の継続が最重要課題


気になる今後の支援策

サンフラワーの宮田さんは「営業時間短縮に対して群馬県から協力金が支給され、小規模な個人店、家族経営のお店には役立っていると思います」と話す。コロナ禍による厳しい状況が1年にわたって継続しているが、「苦しくても店舗を営業し、従業員の雇用を継続していくことが今は一番重要です」と話す。

 

スワンの作能さんも同意見で、コロナの収束は不透明と言われるが、収束に向けた流れも見えてきており、不安を抱えながらも何とか持ちこたえていきたいと考えている。

 

協力金は事業規模に関わらず一律なので、制度設計については意見が分かれることもあるが、「家賃支援給付金、雇用調整助成金のように、毎月の固定費を少しでも埋められる制度が継続されるとありがたい」と宮田さんは話す。

 

逆境で進化する飲食経営

緊急事態宣言や自粛により夜間のお客様、パーティなどの減少によるチャンスロスは痛手だが、一定数の利用客が、お店のモチベーションを支えている。

 

また昨年から飲食業界が取り組んできたテイクアウトメニューも各店の特徴を生かして進化を続けている。スワンが新規開発したフレンチのお弁当やケータリングはお客様に好評という。

 

まちなか店舗の灯りを消すな

冠婚葬祭を含む飲食業の売上減少は、食材や資器材の生産者、仕入先、貸衣装、生花、スタッフ派遣業など幅広い業態に影響が波及する。「一時的であれ、店を閉めることによる客離れが心配です」と宮田さんは話す。まちなかの灯りが消え、まちの活力が失われることも大きな心配事で、「失ったものを回復するのは時間と労力が必要になる」と考えている。「コロナ禍はある時期に必ず克服できると信じています。その時にV字回復できるよう。経営資源を維持していくことが重要と考えています」と宮田さんは力を込める。

 

作能さんも「お客様のために営業を続けること、厨房を動かし続けることが自社のためにも、お取引先のためにも、大切です。お客様にとっても結婚や喜寿・米寿のお祝い等、人生の節目のお食事は大切です。お客様に寄り添って、安心安全な食事、食事の場を提供、人生の楽しみと喜びを提供していきます」と話す。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2021年2月号

 

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