ウィズコロナ・アフターコロナの企業づくり（４）
（2021年07月30日）
挑戦をカタチに
光保険サービス株式会社・株式会社トーエー商会
７,７００円、90分で高精度ＰＣＲ検査
渡航時の陰性証明に使える信頼性
総合保険サービスの光保険サービス株式会社（飯塚町・ウニクス高崎２階）とレンタルおしぼりを展開する株式会社トーエー商会（新保町）が連携し、４月から民間ＰＣＲ検査事業に参入した。検査キットは光保険サービスが販売し、採取した検体をトーエー商会の専用ラボで検査する。
光保険サービスが東京農業大学の産学連携バイオベンチャーである株式会社エアープランツ・バイオと業務提携して実現した。
検査キットは検査料含め１セット７,７００円。検査精度は９９.９％で、これまでの安価な検査と比べて格段に高精度となっている。検査に要する時間は最短90分で、メールで結果を受け取ることができ、検査証明書が発行される。民間の検査では公的な効力がない場合もあるが、この検査証明書は海外渡航者の陰性証明書として有効だ。
大学の同級生が先端研究
光保険サービスの上原政弘社長は、エアープランツ・バイオ代表で東京農業大学客員教授・武山健一さんと東京農大の同期生で、近況を伝えあったところ、武山さんがＰＣＲ検査について取り組んでいたことから、上原さんは群馬での実現可能性を探ってきたという。
エアープランツ・バイオは遺伝子の抽出やＤＮＡ情報の研究実績を持ち、コロナ禍によりＰＣＲ検査の受注が増加している。医療機関やテレビ局、プロスポーツ団体の定期検査なども行っている。
上原さんは、かねてから知己であったトーエー商会の小此木正信社長にＰＣＲ検査事業の連携を提案した。トーエー商会では、飲食店の営業自粛によりレンタルおしぼりの需要が減少し、新規事業を模索していた。小此木さんは「感染拡大が防止できれば、地域の飲食店にも貢献できる」と考え、検査事業への参入を決意したという。
トーエー商会のラボでは、エアープランツ・バイオの指導を受け、大学と同じ検査機器を導入、同じ検査方法を採っている。検査にあたっては、あらかじめ準備してある陽性の検体を同時に測定し、正しく陽性、陰性が判別されているか検証する。
検査方法は簡単
検体採取は簡単で、検査キットに付属している綿棒で口腔内をこすり、綿球部分を不活化剤の入ったチューブに密閉する。仮に新型コロナウイルスに感染していても、この段階でウイルスが不活化されるので、２次感染はないという。検体は検査ラボに郵送、急いでいる場合は持ち込みも許容している。
高崎市内の高校生が大会前日に微熱があったので医療機関を受診したところ、新型コロナウイルス感染の疑いが生じたため、ＰＣＲ検査の結果が出るまでの数日間は自宅待機となったことで、大会出場が絶望視されたという。
相談を受けた上原さんは、大会当日の朝、このＰＣＲ検査で生徒の陰性を確認し、検査証明書を添えて大会本部に要望したところ、出場が認められたというエピソードも語られた。
コロナ禍でのおしぼり需要の再耕も
レンタルおしぼりは、リユース製品として環境にもやさしい。おしぼりは、消臭、防臭、殺菌処理されており、コロナ禍では消毒作用が再認識されている。東京２０２０では日本の伝統を伝えるＶＩＰのおもてなしとして、レンタルおしぼりが提供される計画だ。
トーエー商会ではリネンサプライ、各種ユニフォーム、業務用資材に加え、業務スーパー高崎江木店内にコーヒー豆やフルーツサンドなどを販売する「豆や」を営業し、個性とこだわりを持ちながら、価値のあるサービス展開にも挑戦している。
常に挑戦を続けたい
光保険サービスの上原社長は「業種、業態に関わらず、先進的なビジネスモデルを高崎で展開していきたい」と意欲を語る。光保険サービスは、大型商業施設に窓口を置く来店型保険ショップの草分けで、開店当初は、同業から冷やかな目で見られることもあったという。実は上原さんは、ネイルサロンも展開し、こちらも好評とのこと。
「地域や私たちの未来を光り輝かせたいと考え、光を社名にしました。地域に役立つことに積極的に実現していきたいと考えています」と話す。
光保険サービス株式会社
上原 政弘 社長
高崎市飯塚町1150-5ウニクス高崎２階
TEL：027-364-3338
株式会社トーエー商会
小此木 正信 社長
高崎市新保町18
TEL：027-350-1775
高崎商工会議所「商工たかさき」２０２１年６月号
