親子でめざす
“群馬といったら松島ミート”

松島ミート

(2014年4月)



 県内の飲食店や小売店、施設などに良質な食肉を卸している松島ミート。社長を務める原仁さんは、27歳の若さでその役目を譲り受けた。5年前に家業に入って以来、猛烈なチャレンジスピリッツで、業務改善や新しい営業スタイルの構築に取り組み、大口の公共施設などを新規開拓し売上を伸ばしてきた。「2年ほど前から会社を任せても大丈夫だと思いました」と父一夫さんのお墨付きを得て、昨年社長に就任した。
 「当初は黒髪で営業に回ったのですが、なかなかお客様に覚えてもらえず、このヘアスタイルにしたところ効果はてき面でした」と金色の短髪をトレードマークにした仁社長は発想もユニークで思いついたら即行動を起こす人。前職は中華のシェフで、厳しい修行を経て工夫や努力次第で多くのことは乗り越えられることを実感していた。朝4時から働く父の姿を見てきたことや、生来の負けん気もあり、向上心と実行力は人一倍だ。「飲食店のお客様に、この肉を使って、こんな料理はいかがですかと、その場で調理して見せられることも自分の強み。レシピもたくさん書きました。お客様の繁盛につながる提案をすることで信頼関係を築くことができます」と、経営者としての気づきも素晴らしい。
 一方、仁社長の隣で笑顔を絶やさず、「演歌を聴きながら、工場で肉を切るのが性に合う」という一夫会長は66歳。23歳でスーパーマーケットのテナントとして精肉店を始め、32歳で現在の倉賀野町に店を開店し、やがて精肉工場を併設して卸売業に転業した。一時はスーパーマーケットも構えたが、バブル崩壊で閉店の憂き目に遭うなど、幾多の困難をかいくぐってきた。そんな経験豊かな一夫会長が「食肉の目利きで、業者との駆け引きも上手。俺が口を出すことはほとんどない」と仁社長の仕入れの手腕を評価している。
 社長自ら筆を執る『松島ミート新聞』では、企業理念や群馬のブランド豚「愛豚」をはじめおすすめ商品情報、飲食店紹介など、お客様に向けて熱いメッセージを発信する。“群馬といったら松島ミート”と言われる存在になりたい。そのまっすぐな姿勢が、社内はもちろん社外にも共感の輪を広げている。

株式会社松島ミート

会長:原一夫
代表取締役:原仁
住所:高崎市倉賀野町1069-11
電話:027-346-8129