オートレースでトップを極めた男
次に挑むのは飲食業界での勝負

(2015年12月1日)

蛸一

田代さん

 1977年にオートレース選手登録以来、通算優勝回数104回、通算勝利数1356勝、賞金王や最優秀選手賞、特別賞を受賞するなど輝かしい戦歴を持つ元オートレーサーの田代祐一さん。「レーサーとして常に1番となって声援に応えられなければだめ」と昨年37年間の現役生活に別れを告げた。第二の人生は飲食の世界に挑むことを決め、自宅のある大橋町にたこ焼屋「蛸一」を開店した。
 きっかけは、息子さんがたこ焼屋をやっていたことで、店の名前「蛸一」も息子さんの名前、タシロコウイチにちなんだもの。「バイクのハンドルをたこ焼の串に持ち替えました」と笑う田代さんの店舗は、おしゃれな居酒屋風のたこ焼屋で、たこ焼以外にもイタリアンや和食、ラーメン、アルコールまで提供する。
 また店舗での販売を行いつつ移動・出張販売にも力を入れ、キッチントラックで関東から九州まで各地のオートレース場や競艇、競輪場などに出店し、たこ焼を中心にもつ煮・牛串なども販売している。牛タン入りフランクフルトなどオリジナル商品の開発や、やきそばつめ放題など販売方法にも工夫を凝らし、いたる所にアイデアが光る。
 レーサー特有のスピード感ある感性と行動力に、やる気のある若者も慕って集まる。「一生懸命やれば結果が出るということを若い従業員に伝えたい。そのためには自分が鍋を洗って、粉を溶いて、水を汲んで見せないと」と自ら汗を流しながら経営者として、また飲食業への挑戦者として歩みを進める。
 また、店には往年のファンが全国からやってくる。「レースで走っていたときも、そして走ることをやめた今でも、ファンの方たちに支えてもらっていることを実感している。安くておいしいものを提供し恩返しをしていきたい」と謙虚さも忘れない。
 以前ヨーロッパを訪れ、日本のB級グルメが受け入れられていることを知り「将来はスペイン・イタリアにも出店し、自分の作る本当においしい日本のB級グルメを海外の人々にも味わってもらいたい」と語る勝負師田代祐一は新たな“てっぺん”を目指し加速し、走り始めている。

 味が自慢の「たこ焼き」のソースは甘、辛、うま塩、しょうゆマヨの4種類。出汁にたこ焼きが浮かんだ「汁だこ」、たこ焼きをつぶして香ばしく焼きあげた「ぺったん焼き」などバリエーションも豊富だ。

 

■蛸一
代表:田代祐一
住所:高崎市大橋町52
TEL:027-368-0200

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