革新の連続で100年。自社の強みで次代へ

(2019年08月31日)

株式会社岡村

独自性に磨きをかけて創業100年

酒類、食品関係の中間流通と物流を柱に事業を展開する株式会社岡村は、7月18日に市内のホテルで創業100周年記念祝賀会を開催した。大手酒造メーカーのトップなど関係者約100名がお祝いに駆け付けた。中でも岡村武彦代表取締役の心に響いたのは、キリンビール株式会社の布施孝之社長の祝辞で、「自社だけいいではなく仕入先や納入先はもちろん、競合他社ともウィンウィンの関係を築いてこないと、100年企業にはなかなかなれません」という言葉だった。

同社は「商売の基本は感謝の気持ち 売らせていただく、買っていただく。企業の安定はお取引先の信頼 従業員の安心」を企業理念に、社長4代にわたって業務に反映させてきた。

岡村社長も「競合する企業に対しても、取った取られたという商売は好きではありません。それよりも、独自性を大切にして、当社の提供するサービスを気に入って、お客様にお付き合いいただける道を開拓したい」と話す。

 

特約店として北関東エリアの中間流通を担う

同社は、新潟県の農家の次男として生まれた岡村桂次郎氏が、安中市の造り酒屋に21歳から6年間勤務した後、1919年(大正8)に高崎市嘉多町に酒類小売業の岡村酒店を開業したことに始まる。

1951年(昭和26)に株式会社岡村商店を高崎市通町に設立し、酒類卸売業を開始。1963年(昭和38)にはキリンビール高崎工場の開設に併せて高陽運輸株式会社を高崎市日高町に設立した。1964年(昭和39)には、全国初の卸商業団地設立に参画し問屋町に本社を新築、移転。その後、各種酒類メーカー、食品メーカーの特約店として、群馬県全域と埼玉、栃木にわたる北関東地域の酒販店やスーパー、飲食店チェーン等に永年にわたり酒類・清涼飲料水・調味料等を販売してきた。

 

上昇する物流コスト物流ニーズを取り込む

平成初頭のバブル経済の崩壊とその後の長引く不況に加え、1990年以降、段階的に酒類の販売免許の規制が緩和され、2006年に酒類販売のほぼ完全自由化が実施された。これにより、〝酒は酒店で買うもの、酒店は商品を問屋から仕入れるもの、メーカーは問屋相手に営業をするもの〟というこれまでの酒類業界の構図が崩れ、小規模事業者が打撃を受けた。「この30年間で、まちの酒屋の数は5分の1に減少しました」と岡村社長は指摘する。

同社では、2000年(平成12)以降、営業拠点の統合や閉鎖と併せて物流センターの開設、統合、新築移転を行い、物流機能の強化への取組みが目立つようになった。物流センターでは、システムで動く量販店向けの業務を担い、各営業拠点では地場の顧客の多様な物流ニーズやリテールサポートへのニーズにきめ細かく対応している。

2004年に4代目社長に就任した岡村武彦社長は、「就任以来、組織体制の整理に多くの時間を費やしてきました」と話す。

2010年(平成22)には本社事務所を問屋町から移転し、㈱岡村商店の設立の地である高崎市羅漢町に新設した。

そして、2019年(令和元年)には100周年事業として、栃木県下野の2、000坪の土地に「しもつけ物流センター」(㈱岡村鳥海)を新築、移転。ここを拠点に、新たなチャレンジに挑んでいく。

 

企業体力強化のためのチャレンジ

同社では、事業が好調に推移している時にこそ、次代を見すえたビジネスの体力強化に取り組んできた。

例えば、1982年(昭和57)に群馬県館林市にコンビニ第1号店ができたときに、同社は酒類・食品の納入業者に名乗りを上げた。外部の事業者と連携を図り、システム化された新業態の厳しい要求に対応し続け、コンビニの数が400店舗を超えるまで継続した。この実績が、商品調達力や配送能力に磨きをかけて格段に向上させた。昭和50年代から平成の初頭は景気も良く、同社の売上も右肩上がりという状況下に、敢えて挑んだチャレンジだった。つらい時期も、失敗も多々あった。

 

伝統は革新の連続がつくる

「若者の酒離れ」や「外飲みから家飲みへのシフト」など、料飲市場の縮小が進んでいる今日において、酒類・食品卸売業者の再編が加速化している。

大手流通業者が大都市圏をエリアとし販売量の多い業態を中心に得意先としているのに対し、同社は、エリアを広げながらも地元酒販店を中心に、販売量問わずあらゆる業態を得意先とし展開する。そして地域ニーズに対応した小売業・料飲店への商品提案や売場づくりへのアドバイス、きめ細やかな配送サービス等を提供する。また、大手の業務を請負うなど、地域に根差した営業活動の強みを活かすことで活路を見出せると、岡村社長は考えている。

「ものの流通のあり方は時代によって大きく変化します。われわれのような中間流通、物流を担う卸売業は、“時流適応業”との認識のもと、自社の得意分野を武器に時代のニーズに柔軟に対応していくことが求められます」と話す。

同社は、直接消費者の目に触れることがなく、社名を知る人は決して多くはないが、「伝統は革新の連続が作る」「生活者の満足への貢献」を社員ひとり一人がしっかりと胸に刻み、地域の繁栄を側面から支える企業として今後も力強く存在し続けていく。

 

 

会社概要

代表取締役社長  岡村 武彦さん

本社:高崎市羅漢町34

TEL:027-388-8911

 

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