新たなツールとしてのうつわに挑戦

(2021年05月31日)

三美堂社長 うつわ演出家 吉村聡さん

 

 

「地産地消の料理用に、地域をアピールできる器がほしい」という飲食店の要望を受け作製した【ぐんまのお皿】は、“鶴舞う形の群馬県”をかたどった信楽の土を使った陶器皿だ。2019年に立ち上げたプロダクトブランド『toool(つーーーる)』の第1号商品で、フラット版と高低差版がある。「特に高低差版を手に取ると、群馬は面積のほぼ3分の2が森林であることを実感します。上毛の山々や谷間を流れる川、関東平野を指先で感じながら、豊かな県産食材等について語ると予想以上に盛り上がります」と話す吉村聡さん。

 

続いて、日本一の生産を誇る高崎の福だるまをモチーフにした磁器の大皿【ふらっとだるまFLAT DARUMA】は、海外展開を視野に入れたシリーズ。アロマを楽しむディフューザー【ちっちぇふらっとだるま】もある。

 

吉村さんは「どんな商品にするか、どんなシーンで使ってもらえるか、考えを巡らせている時が一番楽しい」と、粘土や厚紙を使って手を動かしながら商品のイメージを固めていく。

 

「今の群馬には陶磁器の産業はほとんどありませんが、古代の群馬は埴輪や須恵器などが盛んに作られた土地柄。また、良質な群馬の土から作られた藤岡瓦・鬼瓦は全国に誇る逸品で、渋い燻し銀が魅力です。そんな群馬の土を使った藤岡瓦や自性寺焼の器を市内の日本料理店で使ってもらっており、ご当地色を発揮しています」と話す。

 

ブランド名の『つーーーる』をひっくり返せば『るーーーつ』。ルーツをたどることで、新たな器の着想が得られる。そして、できた器はご当地ならではの歴史や産業、観光資源など、さまざまな魅力を伝えるメッセンジャーとなる。吉村さんは、そんな器づくりにこだわっている。

 

 

今年で創業65年目、業務用食器の卸販売を営む株式会社三美堂の4代目の吉村さん。ご当地ならではの商品企画で勝負し、実店舗やECサイトでの小売も行う。昨年夏に群馬県立女子大との連携により【群馬の山カトラリーレスト】シリーズを手がけ、上毛三山のシルエットを切り取ったカトラリーレストは、上毛かるたの札をパッケージに使い販売、好評を得ている。

 

株式会社三美堂

住所:高崎市上並榎町120

TEL:027-362-7167

toool つーーーる

http://www.toool.info/

 

高崎商工会議所「商工たかさき」2021年4月号

 

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