国内最大規模の放射線照射サービス

(2018年04月28日)

ラジエ工業株式会社

国内最大規模の放射線照射サービスで工業分野の進化を支える

放射線化学の工業利用を目的に

「放射線照射サービス」。この一般には耳慣れない業種をメインに事業展開している企業は国内にわずか3社。中でも独立系企業として多種多様な放射線照射サービスを年間4、000種類も提供し、全国から年間50社以上の顧客(その多くが大手企業)が依頼した業務内容の監査に訪れるというラジエ工業㈱は、国内最大の業務実績を誇っている。

昭和39年に「日本原子力研究所高崎研究所(現:高崎量子応用研究所)」が岩鼻町に設立され、その放射線化学の研究成果を工業分野に活用することを目的に、昭和46年11月に設立された。

 

 

 

最先端の産業分野を支える滅菌・殺菌力

ラジエ工業では、注射筒・注射針・手術用器具や人工腎臓などの医療用機器、食品包装材、理化学実験器具、実験動物用飼料など、多くの工業製品の〝滅菌・殺菌〟手段として、ガンマ線と電子線を用いている。

「例えば、医療用腸線縫合糸は体内で吸収されるようタンパク質でできています。これを滅菌する場合、エチレンオキサイドガスは残存ガスの除去が問題となり、紫外線は光なので表面しか滅菌できず、高温の熱はタンパク質の性質を変えてしまう。放射線照射による滅菌なら、こうした問題が解決できます」と話す小池剛太郎専務取締役。放射線照射サービス事業の立ち上げから、先代の富田惠一郎社長と共に全国を営業して回ったという功労者だ。

 

ものづくりの可能性を広げる加工・改質

プラスチックなどの高分子材料に電子線やガンマ線を照射すると、長い分子と分子が途中で結合して網目のようになる〝架橋〟。長い分子が途中で切れる〝分解〟。長い分子に枝を付ける〝グラフト重合〟という3つの反応が起こり、高分子材料の強度や耐熱性、耐摩耗性・耐薬品性などの向上をもたらす。こうした放射線を利用した素材の加工・改質は、テレビや電子レンジなどの電化製品のコード、ボタン電池用隔膜、ラジアルタイヤ、バスマットなど、多くの工業製品づくりに欠かせないものとなっている。

 

 

国内最大級の照射サービスを実現する設備の進化

同社は、日本原子力研究所および㈶放射線照射振興協会の指導の下、昭和47年に全国で2番目となる「ガンマ線照射装置1号機」を完成させ、放射線照射サービスをスタートした。軌道に乗るまでに数年という時間を要したが、徐々にニーズが拡大した昭和59年、多品種小ロットの照射に適した「ガンマ線照射装置2号機」を自社開発し市場シェア60%を獲得。平成3年には、加速機により電気的な制御が可能な「電子ビーム照射装置」を、さらに電子ビームをX線に変換できる世界初の照射システムを完成させ躍進を遂げた。平成9年には「放射線照射施設3号機及び自動倉庫」の完成により、大型製品・大量製品の照射を全自動化。こうして、国内最大規模の照射サービスを実現するに至った。

さらに同社では、原子炉・人工衛星部品の耐放射線性試験のニーズに応えるため、高温・蒸気・圧力をコントロールできる環境を整えた蒸気暴露試験施設を整備している。同社は、平成14年にISO9001、ISO13485認証を、平成18年にISO14001認証を取得。国際水準を上回る品質管理の維持と、地球環境に考慮した事業活動が認められている。

 

主業務を支えてきた「火工品製造」と「樹脂営業」。危険物を取扱う覚悟

現在、売上の7割を占める「放射線照射」部門だが、事業が軌道に乗るまで「火工品製造」と「樹脂製品」部門が支えてきた。

ラジエ工業の前身である関東導火線製作所㈱は産業用の導火線や煙火用ランス、競技用紙雷管等の製造を行ってきた。生産量7000万tの大規模な釜石鉱山(岩手県)に導火線を直接納品し安定収入を得た。また、樹脂営業部門ではユニットバス、システムキッチン、パーテーション等の建築設備機器の販売も行っている。

「放射線というと、身体への悪影響のイメージが強く、主人と小池専務が日本中飛び回って営業しても、なかなか受注できない時期がありました」と振り返る富田南海子社長。3年前に夫の富田惠一郎社長が急逝されたことから、急きょ社長に就任した。

同社には創業当初から受け継がれる〝危険物を取扱う業者として法令に則り社員の師範となること〟という経営理念がある。「昔の火工品の工場で、工具の定位置が一目でわかるよう、白壁に工具のシルエットが描かれていたのを子ども心にきれいだと感じました。当時から整理整頓が徹底され、安全確保へ細心の注意が払われていました」と、火工品や放射線を扱う者の覚悟が、伝統的に息づいてきたことを知る人でもある。

主婦から突然の社長業への転身。南海子社長は、社員の顔と名前を覚えるため現場に足を運び、業務日誌にこまめにコメントをつづった。パソコンに疎かった前社長に代わり、ホームページの充実やメールでのやり取りを増やすなど、自分にできることから社員との距離を縮めてきた。今では、南海子社長のカラーが浸透し、社員と結束して業務に取組む自信が伝わってくる。

 

代表取締役社長:富田 南海子さん
本社工場:高崎市大八木町168
TEL:027-361-6101

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2018年1月

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