やってよかった!異業種展開。キーワードは地域貢献(1)

(2018年05月31日)

IT事業家がパスタ麺づくり・吉田製麺

「パスタの街たかさき」に初のパスタ製麺所

 

高崎独自のパスタ製麺所「吉田製麺」が話題になっている。ブランド名の「ジャパスタリア」はJapan + pasta + Italia の造語で、使用しているパスタ店も拡大している。

吉田製麺を運営するのは、ウィンドウズやウェブでのシステム開発、企業戦略などIT技術を中心として事業展開する有限会社メディアエージェントの代表・吉田幸二さん。太田市から高崎市に拠点を移して活動している。吉田さんが自ら製麺機械を動かし、パスタ麺を製造している。

吉田さんは、地域社会への貢献を考えており、高崎の魅力づくりにも関心を持っていた。高崎にはキングオブパスタというイベントがあり、パスタのまちと言いながら、パスタそのものは高崎で作られていないことに素朴な疑問を持ったという。群馬、高崎は小麦の一大産地であり、粉もの文化も発達してきた。吉田さんは「高崎パスタの製麺は誰かがやるだろう」と思っていた。

マカロニやスパゲティなど、パスタはデュラム小麦を原料とするのが一般的で、これまで高崎産の小麦はパスタ用の小麦と品種が違うのでパスタを製麺するのは難しいと言われてきた。既に高崎産のパスタ麺(乾麺)を開発して使用しているパスタ店もあり、グループ店内では名物になっていたものの、広く普及するには至っていなかった。

平成27年の暮れ、吉田さんは先入観のない新鮮な発想で、高崎産パスタを考え始めた。生麺を主体にしたアイデアで、周囲の人に考えを話すと「やってみたらいい」という人は多かったそうだ。

 

高崎産パスタは「おいしい!」

 

吉田さんが高崎産の小麦を求めてJAたかさきに相談に行くと歓迎され、共同開発の話も持ちあがった。JAたかさきでも「パスタのまち高崎」で高崎産小麦から作ったパスタ麺が食べられるようになればいいと考えていた。

吉田さんは高崎産小麦や高崎産の鶏卵など、高崎産の原料にこだわり、自宅で試作したところ「おいしかった」。高崎産小麦がパスタ麺に適さないとされてきたのは、それまでの試作では満足できる味が出せなかったことが原因だったが、吉田さんは高崎産パスタ麺のおいしさを自らの腕と舌で実証することができたと確信した。

「第1次産業の高崎産小麦、第3次産業のパスタ店をつなぐ、第2次産業のパスタ製麺所は、高崎に足りなかったラストワンピース」と吉田さんは語る。

高崎産小麦の「きぬの波」を100%使用し、「きぬの波でしか作れないパスタを狙った」という。製麺用の機械の調達など、2016年は準備に追われた。

 

賛同者と提携し業務開始

 

吉田さんは、国産生パスタブランド「ジャパスタリア」を立ち上げ、オゾン殺菌装置などの揃った食品加工場を持つ農業生産法人と業務提携し、めん類製造業の許可を得た。また製造した生パスタは、少量を多店舗に配送することが必要で、大きな課題として残っていたが、高崎問屋町の卸商社・日栄物産と提携することができ、群馬全域への配送が可能となった。

吉田さんの企画力、実行力、熱意に賛同し、提携の輪が広がった。2017年6月、販売先は1店舗からスタートしたが、吉田さんは感無量だった。

同年10月に、オリジナル形状の「ダルマ型パスタ」の開発をめざしてクラウドファンディングで資金を募集し、目標額100万円を上回る129万円を調達できた。IT事業家としての吉田さんの企画力、表現力、提案力は高く、多くの人の共感・賛同へとつながったようだ。また、「高崎産パスタ麺があったらいいな」という気持ちは、高崎市民に共通する願いだったと言えるだろう。

「ジャパスタリア」が食べられる飲食店は現在16店舗に拡大している。2017年のキングオブパスタでは、4店舗が採用しており、ジャパスタリアのパスタが表彰台に上ってくれるのが吉田さんの夢でもある。

吉田さんは、高崎産パスタ麺「ジャパスタリア」ブランドをビジネスとして成長させていきたいと取り組んでいる。

 

吉田製麺

代表 吉田  幸二さん

事務局 高崎市江木町 316―1

製麺工場 吉井ファクトリー

高崎市吉井町岩崎329

 

高崎商工会議所「商工たかさき2018年4月号」

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