卸売業に活路と展望を

(2018年07月31日)

株式会社倉屋

日用品・雑貨卸部門
県内を中心に団体や法人へ商品を供給

同社は、明治2年12月に初代高橋正平氏により屋号を倉屋と称し、高崎市田町で荒物商を創業した。荒物とは、ほうきやちりとり、かご、やかん、たわし、鍋敷き、軍手など暮らしの道具であり必需品。今でいう「日用品・日用雑貨」だ。

 

「日用雑貨には2種類あって、一つは化粧品や洗剤など“トイレタリー”と呼ばれる商品群。もう一つは、たわし、ロープ、ゴミ袋などの“バラエティー商品”と呼ばれるもの。トイレタリー商品は大手メーカーが流通における主導権を握り、自社系列の販売会社が卸売機能を担うことが多い。一方、バラエティー商品は中小規模のメーカーが多く、当社のような地域密着型の卸商社が間に入り、小売店やエンドユーザーに商品を供給するといった特徴があります」と話す高橋正一社長。

 

同社の「日用品・雑貨卸売部門」では、「紙製品」「ポリ袋・ゴミ袋・包装資材」「台所(厨房)用品・手洗い用品」「清掃・作業用品・手袋・ウエス」「介護・ヘルスケア用品」「電池・蛍光灯、洗濯・トイレ・浴室用品・消臭・芳香剤・殺虫剤」などの商品を取扱う。

 

主な販売先は、群馬県を中心とした周辺地域の、官公庁・警察・病院・ホテル・ゴルフ場・介護福祉施設・寺院・その他各種団体。顧客先の要望に応じて、必要な品を仕分け(ピッキング)し、直接納品している。

 

インテリア工事部門
卸売+工事機能で付加価値アップ

同社では、畳や床材、カーテン、壁紙など、30年ほど前から内装資材の卸を始め、工事への要望が相次いだことから工事部門を立ち上げた。「個人のお客様が多く、畳一つにしても、国産の井草は気候に合っていて丈夫で長持ちと説明することで、少々値が張っても納得してもらえます。良質な品を提供し、結果的にお客様に喜ばれる。付加価値が認められ、やりがいが感じられます」と、高橋社長も現場に足を運ぶという。

 

畳職人など減少傾向にある職人を確保し、人材を育てるという面からも有意義な部門といえる。「忠臣蔵では、江戸中の畳職人が集結して、一晩で200畳の畳替えをしたシーンがドラマチックに描かれている」と、いつの時代においても求められる職人技に敬意を表し、継承されることの大切さを実感している。

 

こうして卸売機能に工事機能をプラスしたことで、事業の幅を広げてきた。

 

卸売業受難の時代

「そうは問屋が卸さない」こんな言葉が当り前に使われていた時代からすると、現在は卸売業受難の時代だ。高崎の中でも日用品・雑貨の卸売業者は、ほとんどが廃業・転業を余儀なくされ、今も健在なのは数少なくなった。

 

一般に卸売業の存在意義として、「取引総数単純化」が挙げられる。例えば卸売業を介さないメーカー10社と小売業10社の直接取引の場合、取引総数は10×10で100回。卸売業者を介した間接取引の場合は、10+10で20回となり、多数の小規模メーカー及び小規模小売業が乱立する状況では卸売業を介した取引の方が効率的といえる。その他にも、物流(輸送・保管機能)、情流(情報提供)、金流(金融機能)の機能を卸売業は担ってきた。

 

しかし現在は、卸売業・小売業・輸送業・倉庫業を含む流通業界では、大手小売業とメーカーによる直接取引、あるいは大手小売業自ら生産・販売を一貫して手がけるSPA(製造小売)、総合商社やロジスティクスによる卸売業への参入などが行われ、消費者のネット通販も盛んになった。従来の流通の枠組みは取り払われ、「卸売業の利益は細る一方。地方への利益分配が行われにくく経済は疲弊してしまう」と高橋社長は指摘する。

 

今後への展望
商品調達代行業への道

かつて、商品がメーカーから消費者に流れる段階で「生販価格」、「卸売価格」、「小売価格」が設定され、その差額の中にマージンという利益が含まれたことから、卸売業が代行するサービスには料金が派生するという概念が根付きにくかった。そうした問題の解消には、商品の販売価格に含まれていた卸売業のサービス機能を、対価が支払われるべき価値としてメニュー化し、料金設定を明確にするなどの策が講じられる必要がある。

 

高橋社長は、「お客様から “ほしいものがあってどこに声をかけようかと考えた時、真っ先に倉屋さんが浮かびます”と言っていただくことがあり、改めて『商品調達代行業』が当社の進む道と考えています。例えば会員制にして手厚いサービスを提供するというのも一案。IT化を推進し、コスト削減を図りながら、特色あるサービスを提供することが生き残りには必要」と話し、新たな道を模索する。効率化と人情が通う新システムの構築が切に待たれるところだ。

 

 

会社概要

代表取締役   高橋正一さん

高崎市問屋町西1-4-6

TEL:027-361-3441

高崎商工会議所『商工たかさき』2018年7月号

 

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