楽器は文化のインフラ

(2018年09月30日)

ピアノプラザ群馬

日本最大級のピアノショールーム 「サロンコンサートのある店」

日本最大級のピアノショールームを誇るピアノプラザ群馬高崎本店。国産・輸入ピアノのブランド50〜60種、200台以上が展示され、弾き比べをしながら購入できる。全国の愛好家からの注目度も高く「中には滞在時間6時間という方もいますが、納得したうえで購入していただきたい」と中森隆利社長は歓迎する。

高崎本店のあるエリアは “音楽文化の総合発信地”にふさわしい施設になっていて、事前に予約をすれば、各棟を巡って様々な楽器を見て弾いて体感できる「ガイドツアー」に参加できる。

それぞれの施設を簡単に紹介する。

▶高崎本店

電子楽器をはじめ、管弦楽器の展示、楽譜・音楽関連グッズも充実。「演奏者が忘れ物をしても、音楽に関係するものなら、蝶ネクタイ以外は何でも揃う」と中森社長が言うように、楽器の弦やピアニカの部品などまで揃う。

▶ぴあの館

スタインウェイ・ベヒシュタイン・ベーゼンドルファー・ファツィオリの世界4大ピアノをはじめ一流のピアノが並ぶ。また、新品から同社の技術部で手がけたリニューアル品まで、ニーズに合った幅広い価格帯が揃っている。

▶高崎シューベルトサロン

スタインウェイのフルコンサートモデルを擁した座席数80席ほどのコンサートホールは、演奏者からも絶賛される隠れた名サロン。毎月1回コンサートが開催されている。

▶スタインウェイセンター高崎

日本最大級のスタインウェイピアノの展示場。1916年(大正5年)に作られた自動演奏機付きピアノと、最新型自動演奏ピアノ「SPIRIO」。富岡製糸場の首長だったフランス人のポール・ブリュナがピアニストである夫人のために持参したピアノと同じプードワーモデルも展示されるなど、博物館的な要素も楽しめる。

 

メンテナンスや修理を担う「工房のある店」

同社には調律・調整・調音などメンテナンスや修理を担う工房があり、「ピアノ流通センター高崎」(飯塚町)がその拠点になっている。技術スタッフは国内外を問わずピアノメーカーの研修に参加し、習得した技術でユーザーの演奏活動をバックアップする。

また、全国各地の技術者と協力して、楽器のメンテナンス等、ユーザーに手厚いサービスの提供を行っている。

東日本大震災の時に岩手県宮古市で被災した1939年製ベーゼンドルファーのピアノが同社で修復され“奇跡のピアノ”として話題になった折、同社の技術力が大きくクローズアップされた。

 

 

H29年度『群馬県優良企業大賞』を受賞

同社ではピアノだけでなく、バイオリン、クラリネット、フルート、ハープなどの音楽教室の運営を通して音楽に親しむ子どもたちの育成や、県内初の大人のピアノ教室の運営も手がけている。

また、自治体や団体、個人から依頼されるコンサートのマネージメントや、自社のサロンコンサートの開催などを通して、若手音楽家の育成や地域の人々が音楽に親しむ機会を提供している。

今年9月で創立44年を迎える。「楽器販売事業」と「技術サービス事業」を両輪に、第3の柱として「音楽普及活動」に真摯に向き合い誠実に活動してきたことが認められ、昨年『平成29年度群馬県優良企業大賞(商業・サービス部門)』を受賞した。「音楽普及事業に重点を置くことで、楽器販売事業と技術サービス事業の業績も伸び、全体的に好循環が生まれています」と中森社長は表情を輝かせる。

 

決算書は通信簿。ぶれない企業姿勢で結果を出す

 

中森社長は静岡県磐田市の出身。父親が本格的手工芸ピアノの工場を営んでいたことから、10歳からピアノ工場に住み、ピアノ作りを間近に見ながら育ったという。高崎経済大学に進学したことから、高崎に縁を結んだ。父親の工場を継ぎ、工業後継者として欧州産業視察に参加した折、各メーカーの一流ピアノが隣り合わせに並び、弾き比べができる楽器店のショールームに衝撃を受けた。そして、自分もそういった環境でユーザーとピアノをつなぐ仕事がしたいと考えた。

ピアノメーカーが多い地元を離れ、学生時代を過ごした高崎周辺で起業を決めると、大学時代の同窓生たちが資金援助をしてくれた。高崎・前橋を併せた人口100万人の商圏を念頭に、1974年に新前橋で創業、父の工場にちなんだ名称で「シュバイツァピアノ販売」をスタートさせた。1977年に楽器展示とソフトを充実させた前橋市天川店(ピアノ工房付)をオープンし、1979年に現在地に「ピアノプラザ群馬高崎本店」をオープンすると、輸入ピアノの販売強化に本格的に取り組むようになった。

 

「持つべきものは友。その信頼と期待に応えるためにも、安易な利潤追求は避け、お客様や楽器、音楽優先の事業を展開してきました。私にとって決算書は通信簿と同じ。毎年黒字決算で株主に配当金を出せることは大きな喜び」と話す。

 

楽器を通して世界とユーザーをつなぎ、音楽の調べで地域を照らす。楽器と音楽の普及をテーマにした事業への取り組みは、今後も揺らぐことなく続いていく。

 

ピアノプラザ群馬

(日本ピアノホールディング株式会社)

代表取締役   中森  隆利さん

高崎本店:高崎市問屋町西1-3-10

TEL:027-363-1262

 

『商工たかさき』2018年8月号

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