134.橋の風景から⑳

―長坂大橋―

吉永哲郎

 中山峠を越えて吉井町へ行く県道の南陽台団地入口の信号を右に折れ、山中をしばらく行きますと、観音山ファミリーパークに至ります。休日には大勢の家族が訪れ、アウトドアー派の人気スポットとなっています。遮るものない大空のもと、広い芝生の原を存分に子供たちが駆け回っています。ここは高崎市が誇る大自然の空間であり、将来を担う子供たちが健康な身体と精神を養い、家族の絆をより深く結ばれる場だと、私は感じます。
 ファミリーパーク入口近く、衣沢川に架かる長坂大橋があります。橋の両側には幅のある歩道があり、その中間点あたりには眼下を眺望するテラスのような所が設けられています。
 五月の橋上からの眺めは、季語「万緑」を象徴する風景です。「万緑」とは目に入るものすべてが緑という意。中国北宋時代王安石の「万緑叢中紅一点」という詩句を、俳句にとりこんだ語で、中村草田男「万緑の中や吾子の歯生え初むる」の句から、若葉・青葉とともに「万緑」が、夏の季語になりました。目に入る全てが、緑に覆われる季節。すこやかに育ちゆく吾が子にも歯が生えはじめた。みずみずしい新緑と真っ白な歯との色彩対照をもとに、成長する生命力の躍動を、祝福し賛歌した句です。
 私の五月は、この橋上劇場の万緑ドラマの鑑賞から、始まります。

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