是枝監督「来るたびにうれしい」高崎映画祭授賞式

(2014年3月24日)

是枝監督「来るたびにうれしい」高崎映画祭授賞式写真を拡大

「帰って参りました」と福山さん

 第28回高崎映画祭が22日に開幕し、授賞式が23日に高崎市文化会館で行われた。 授賞式には10人の受賞者全員が来高、登壇した。
 『そして父になる』で最優秀監督賞を受賞した是枝裕和監督は「高崎映画祭は一本一本の映画をていねいに見ていると、あらためて感動しました。28回重ねてきた時間の積み重ねが感じられる手作りの映画祭です。来るたびにうれしく思っています」と喜びを語った。
 最優秀主演男優賞を受賞した福山雅治さんがステージに現れると、会場からひときわ大きな拍手がわきおこった。福山さんは「ごぶさたしています。20年ぶりに高崎に帰って参りました」と会場に呼びかけ、『そして父になる』は前橋市でロケが行われた作品であることから、「本当にご縁があり、ご当地映画です」などと話し、来場者を楽しませた。
 高崎映画祭は、4月6日まで行われ、会期中に57本の映画が上映される。
 受賞者のコメントの要旨は以下の通り。(編集部まとめ)

●新進監督グランプリ=小林啓一監督『ももいろそらを』

過去に受賞された方は是枝監督をはじめ、第一線で活躍されている方々ばかりなので、ここに並んで恥じないように一生懸命努力をしていきたいと思います。良いきっかけをいただいたと思います。本当にありがとうございました。
 だるまにちなんだ面白いことを言おうと思ったのですが、なかなか思いつかず、手も足も出ないです。

●最優秀新人男優賞=川崎航星『楽隊のうさぎ』

 この映画は本当に広い世代の人が楽しめる良い映画だと思います。高崎映画祭で「楽隊のうさぎ」を評価していただき本当にありがとうございます。

●最優秀新進女優賞=篠原ゆき子『共喰い』

 群馬は祖父の生まれの地で昨日はお墓参りに行き、墓前で手を合わせたら「良かったね」と言っているような気がしました。そして四万温泉に入ってあたたまりました。
 舞台袖で映画に関わらせていただいて本当に幸せだなと思いました。祖父の生まれた地で賞をいただくことができうれしいです。

●最優秀新進女優賞=松岡依都美『凶悪』

 このような名誉ある賞を与えてくださり本当に感謝しています。私は昔から人前に立って思いを伝えるのが苦手で今も本当にものすごく緊張しています。私は文学座に所属し舞台を中心にしています。映画には憧れがあり、いつか私も出たいなと思っていた時に「凶悪」のオーディションが舞い込んできました。長編映画は、これが私のデビュー作になりました。本当にすばらしい作品に出会うことができ、すばらしい方々に支えられての受賞だと思います。何よりもこの作品を見てくださった皆様に感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございます。

●最優秀助演女優賞=真木よう子『そして父になる』

 三児を持つ母親の役だったので撮影は子育ての現場のようでした。大きな賞をいただき恐縮してしまいます。「そして父になる」はすばらしい作品だと思います。

●最優秀助演女優賞=原田貴和子『ペコロスの母に会いに行く』

 私の故郷・長崎から生まれた映画がたくさんの人に共感していただき、本当にうれしく思います。昭和20年、私の母は12歳の時に長崎に原子爆弾が投下されました。必死に生き、命をつないできてくれた母の姿と、この映画の母・みつえさんの人生が重なり、私はこの役を演じながら深い縁と命の尊さを感じました。今日はこのようなすばらしい賞をいただき身が引き締まる思いです。本当にうれしいです。これからも一日一日を大切に生きていきたいと思います。ありがとうございました。

●最優秀主演男優賞=福山雅治『そして父になる』

 ごぶさたしています。高崎にコンサートで来たのがもう20年弱くらい前でしょうか。帰って参りました。「そして父になる」はこの近くの前橋でロケがありまして、本当に縁があり、ご当地映画と思っています。
 私の出身は長崎で、先程「ペコロスの母に会いに行く」で、自分の故郷が映っているのはうれしく、誇らしく思うことをあらためて感じました。「そして父になる」もそう感じてほしいのと思いまして、賞をいただいたお礼を伝えに参りました。本当にありがとうございました。

●最優秀主演女優賞=赤木春恵『ペコロスの母に会いに行く』

 身に余るようなおほめの言葉をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。私は3月14日に90歳になりました。これからの短い人生をどう生きていこうかと悩む年頃になってしまいました。89歳という年は、本当に思い出深い年でした。「ペコロスの母に会いに行く」に巡り会い、主演女優賞をいただき自分でもびっくりしております。私の母が認知症であったり、テレビで認知症の役を演じたりしていたものですから、本当に心から自然体で、気楽に、気楽に演じさせていただきました。ありがとうございました。高崎市の皆様のご健康とご幸福をお祈りいたしましてご挨拶にいたします。

●最優秀監督賞=是枝裕和監督『そして父になる』

 28回目の映画祭、おめでとうございます。受賞者の皆様、おめでとうございます。この映画祭の賞状に書かれている文章は、本当にていねいに一本一本の映画を見ていただいているなと、舞台袖で聞きながらあらためて感動しました。28回重ねてこられた、その時間の積み重ねが感じられる手作りの映画祭です。来るたびにうれしく思っています。デビュー作から賞をいただいて、映画を作って年度末にここに来ないと、その作品が終わらない感じがします。4本目、5本目からはそろそろ呼ばれなくなるかと思っていたら、そんなこともなく、9作目まできましたので、この際ですから、ずっと呼んでいただきたいです。本当に作り続けていく糧になっています。

●最優秀作品賞=『ペコロスの母に会いに行く』森﨑東監督。
(体調がすぐれないため井之原尊企画プロデューサーが出席)。

 最優秀作品賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞をいただきありがとうございました。始まりは小さな波でした。ご縁がつながってようやくできた映画です。森崎監督もお歳を召して、体力的にも厳しい中で2年にわたる撮影に挑みましたことが、このように評価されて、大変喜んでいました。森崎監督はいつも「記憶は愛である」とおっしゃっています。この作品は、監督、スタッフ、キャストが愛を込めて作りました。