県立近代美術館開館40周年記念展
探幽3兄弟展-狩野探幽・尚信・安信 ~6月1日(日)

(2014年5月7日)

前期~5月11日(日)
後期5月13日(火)~6月1日(日)

 開館40周年記念展である本展は、探幽3兄弟の世界感を間近に体験できる壮大な内容だ。狩野探幽(1602~74)は奥絵師の最高峰であり、江戸時代の絵画様式の基礎を築き、「画壇の家康」と称される。二人の弟・尚信(1607~50)、安信(1613~85)はあまり知られてこなかったが、探幽とは違った個性を開花させた重要な絵師。同展は、類まれな規模で3兄弟の作品を比較鑑賞でき、また、桃山文化のきらびやかな画風から江戸時代の軽やかで親しみやすい画風への移り変わりも体感できる贅沢な企画となっている。
 前期後期で作品が大幅に入れ替わるので、2回通して鑑賞し、狩野3兄弟の世界感を味わってほしい。(半券提示で、2回目は800円が400円の割引となる)。

二条城や南禅寺、名古屋城から不出の作品群が並ぶ

 今回見ごたえある作品ばかりが連なる中で、展示会場の最初に登場するのが圧巻の安信作「竹虎図屏風」(奈良県・浄福寺蔵)だ。背丈をはるかに超える大きさは日本最大級とされ、83年振りのお目見え。水面に映る自分の顔を覗く虎は親しみを感じさせ、愛嬌がある。探幽作「若衆観楓図」(個人蔵)は小品ながら、和漢の表現を融合させた意義ある絶品。水墨画のスタイルで、日本的な情趣をさらりと描き上げている。また、狩野派のトレードマークでもある富士図に、尚信作「富士見西行・大原御幸図屏風」(板橋区立美術館)がある。富士山を見上げる微笑む西行像が余白の中に浮かびあがり、必要なモチーフのみ描いた「ラディカルな作品」だという。
 企画を担当した学芸員の野田麻美さんは「個人所蔵の作品から、二条城、南禅寺、名古屋城など、常識では一堂に会せない襖や屏風作品など、ご理解いただいて展示できた。このような展示は40周年ならでは。この機会にぜひ、狩野派の世界を存分に味わってほしい」と話してくれた。

店名・名称 群馬県立近代美術館
住所 群馬県高崎市綿貫町992-1 群馬の森公園内
電話 027-346-5560
営業時間 午前9:30~午後5:00 (入館は午後4:30まで)
HP http://mmag.pref.gunma.jp/
備考 FAX:027-346-4064

休館日:毎月曜日(休日の場合はその翌日)
観覧料:一般 800(640)円、大高生 400(320)円
*観覧料の( )内は20名以上の団体割引料金
*中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料です。