たかさき絵本フェスティバル/岩崎書店を特集
(2025年01月20日)
シティギャラリーで1月18日~28日
たかさき絵本フェスティバル・第31回絵本原画展「学ぶことの楽しさを子どもたちと」が高崎シティギャラリーで開催されている。主催はNPO法人・時をつむぐ会。
今回の絵本フェスティバルでは、岩崎書店を特集した。時をつむぐ会の続木美和子代表は「2年前から準備してきました。原画のすばらしさを味わってほしいです」と話す。
「花さき山」(1969年・作=斎藤隆介、絵=滝平二郎)、小学校の教科書に掲載されている「モチモチの木」(1971年・作=斎藤隆介、絵=滝平二郎)、「はじめてのおるすばん」(1972年・作=しみずみちを、絵=山本まつ子)など長く読み継がれている絵本、「ことりぞ」(2015年・作=京極夏彦、絵=山科理絵)、「ネコヅメのよる」(2021年・作絵=松田尚子)「やさいのはな なんのはな?」(2023年・構成・文=宮崎祥子、写真=網野文絵)の7作品の原画や写真など約200点が展示されている。
「花さき山」「もちもちの木」では1970年代にブームとなった切り絵作家・滝平二郎氏(1921-2009)の美しく幻想的、詩情あふれる作品が堪能できる。
岩崎書店は2024年に創業90周年を迎えた。前身は自然科学系の出版社として岩崎徹太・治子夫妻が戦前に創業、戦後は岩崎書店に社名変更し子ども向けの科学書やSF、ポップアップ絵本なども手掛け、1960年代後半から絵本や児童書の分野で業績を上げてきた。また戦後の貧しい時代に子どもたちに本を読んでもらう取り組みとして図書館の蔵書充実に力を入れ、学校図書館の巡回販売も行った。
科学や平和を軸に、学校図書室の調べ学習、妖怪・ホラー・ファンタジーなどの人気シリーズなど特色ある作品が出版されており、この絵本フェスティバルでは、岩崎書店の刊行物を一堂に知ることもできる。
初日の18日にはこうした岩崎書店90年の歩みを岩崎書店の小松崎敬子社長が語るトークイベントが行われたほか、絵本作家や編集者による記念イベントが連日予定されている。
主催の「時をつむぐ会」は、この絵本フェスティバルの継続が評価され、サントリー地域文化賞を2024年に受賞している。
たかさき絵本フェスティバルの入場料は当日で大人1000円、子ども500円(4歳以上18歳未満)。
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