熱中症対策義務化に/ 令和7年6月から
(2025年07月20日)
幅広い業種で熱中症の労働災害
近年、夏期は気温の高い日が続き、まさに命の危険を覚えるような猛暑となっている。高崎においても連日のように最高気温が30度を超え、猛暑日も記録されている。
全国的に職場における熱中症による労働災害が増加しており、令和6年における休業4日以上の死傷災害は、1,257人と調査開始以来最多となった。
特に、死亡災害については、3年連続で30人以上となり、労働災害による死亡者数全体の約4%を占める状況にあるという。熱中症による労働災害は、死亡に至る割合が他の災害に比べて5~6倍と高いという。
群馬県においては、熱中症による死亡災害は発生していないものの、令和6年の熱中症による休業4日以上の労働災害は14件で令和5年と同数となっている(群馬労働局)。
県内でも幅広い業種で熱中症による労働災害が発生しており、炎天下の屋外だけでなく屋内でも多く発生している。
厚生労働省では令和7年5月1日から9月30日の期間に「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を実施し、群馬労働局は7月を重点取組期間として周知啓発活動を行っている。
早期に見つけ迅速・適切な対応を
令和2年から令和5年までの熱中症死亡災害103件の原因として、①発見の遅れ(初期症状で放置したことによる重篤化)、②異常時の対応の不備(重篤化させないための適切な対応の遅れ)の合計が100件となっており、初期症状の放置と対応の遅れが重篤な事態の要因となっている。
そこで今回の改正では、熱中症の恐れのある従業者を早期に見つけ、その状況に応じて迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するための「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられている。
現場における熱中症対応の策定
暑さ指数を目安に
発見と対応の遅れを改善するため、様子がおかしい作業員を「見つける」、医療機関への輸送・救急要請を「判断する」、救急隊が到着するまで対象者を冷却するなど「対処する」を基本に、現場の実態に即した対応を義務付けている。
対応内容は文書やSNS等で関係者が共有する。
【対象】
暑さ指数(WBGT)28度以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて実施することが見込まれている作業。
【対応例】
熱中症の重篤化を防止するため、予防対策を講じる。現場の実情に合わせて策定する。
熱中症患者の発見・報告体制
熱中症のおそれがある作業者を発見した場合の報告体制を整備する。返事がおかしい、ぼーっとしているなど普段と様子がおかしい場合も熱中症のおそれとして取り扱うことが適当。
報告を受けるだけでなく、一人での作業を避け、職場巡視やバディ制の採用、ウェアラブルデバイスの活用、双方向での定期連絡などにより、熱中症の症状がある作業者の積極的把握に努める。
他覚症状=ふらつき、生あくび、失神、大量の発汗、けいれんなど。
自覚症状=めまい、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、不快感、吐き気、倦怠感、高体温など。
作業離脱・身体冷却
作業からの離脱、身体冷却、必要に応じて医師の診察または処置、その他必要な措置を準備し周知する。休ませる場合も一人にせず、症状の推移を見守る。単独作業の場合は常に連絡できる状態を維持する。身体冷却の方法などについても職場で共有する。
救急要請・医療機関への搬送・経過観察
医療機関の搬送については同僚等の付き添いや、必要に応じて救急要請する。判断に迷う場合は安易な判断を避け、救急受診アプリ「Q助」などを活用し医師・専門家の指示を受ける。体調が回復しても症状の急変、悪化するケースがあるため、連絡体制や体調急変時の対応を定めておく。
暑さ指数(WBGT)
熱中症予防を目的とした指標。人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、②日射・輻射など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標。作業場所における暑さ指数が基準値を超えるおそれがある場合には、熱中症になる可能性が⾼くなるので対策を講じる。
作業者の暑熱順化(暑さに慣れる)が不十分な入職したての人、また経験がある人でもシーズン当初や長期休暇明けの場合は、暑さ指数が高くなくても救急搬送に至る事例が見られるので注意する。
なおアラームが設定できる暑さ指数(WBGT)計が安価な価格帯から市販されている。
身体作業強度等に応じたWBGT値が基準値を超える場合は、低減をはかるなど熱中症対策を行う。
高崎商工会議所「商工たかさき(2025年7月号)」
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