第17回吉野秀雄顕彰短歌大会

(2018年12月13日)


第17回吉野秀雄顕彰短歌大会の授賞式が12月1日に高崎市総合福祉センターで行われた。今回は一般の部165首、学生の部10305首(小中5263首・高校大学5042首)の応募があった。

この大会は高崎市ゆかりの歌人・吉野秀雄を顕彰し、高崎の文化振興をはかるのが目的。最高賞の吉野秀雄賞に一般の部・山田寿子さん(高崎市)、学生の部・宮下周さん(小6)が受賞した。

受賞作品は次の通り。敬称略。

 

一般の部

吉野秀雄賞

声高く笑ふことなく逝きし父問うても黙す軍隊のこと 山田寿子(高崎市)

高崎市長賞

夫寝かせ一日の介護終えし夜しみじみと聞く昭和の歌謡 深澤巴(高崎市)

高崎市議会議長賞

戦争を知らないわれが読み聞かす『火垂るの墓』に身じろがぬ幼 善如寺裕子(高崎市)

高崎市教育長賞

上京し母を泣かせた置手紙遺品となりてわが手に戻る 高橋伸治(榛東村)

高崎市文化協会長賞

死に近き義父と吾が子の病室をつなぐ廊下をうつむき歩く 高橋恵(榛東村)

群馬県歌人クラブ会長賞

貧しかりし昭和の子われら老いて今思へば愛(かな)し父母の恩恵 阿部松夫(柏崎市)

ラジオ高崎社長賞

子どもらの細き腕(かひな)に太鼓打つ力こもれり祭り近づく 石井省三(高崎市)

 

学生の部

吉野秀雄賞

亡き祖父のメモを見ながら土作り父と汗する炎天の畑 宮下周(小6)

高崎市長賞

パレットでなんどもなんども色をまぜやっとぬれたよあさがおの花 花田梨紗(小2)

高崎市議会議長賞

勇気なく独り本読む昼休み景色のような教室の私 五十部沙香(中2)

高崎教育長賞

「足の裏ステーキになる」と皆で言う三時間目のプールサイドで 宮一遥(中3)

高崎市文化協会長賞

吹く姿奏でる音色その全て焼きつけておくいつか追い抜く 松本栞(中2)

手術後の祖母の傷痕痛々しこわごわのぞく姉と二人で 大河原もも子(高1)

群馬県歌人クラブ会長賞

バタフライ飛びはねる水いっぱいに突き抜ける空トビウオのぼく 五十里詩音(小6)

人のいない教室に礼去る我らゴールではなく次のスタート 平井彦虎(高3)

ラジオ高崎社長賞

父と行く敬老の日の墓参り祖父母の姿なつかしきかな 飯島昌則(高2)

引退しベンチに座り見る部活後輩達に自分重ねる 福島衆羅斗(高3)

 

 

 

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