「Call the Name of One Day」展

(2020年08月6日)


ビエントアーツギャラリー

50年の歴史を持つ高崎問屋街に新たな風を吹かせるアートの発信拠点・ビエントアーツギャラリーで、嘉春佳の個展「Call the Name of One Day ある日のことを呼ぶ」が8月8日(土)から始まる。問屋街とアートの化学反応による文化発信プロジェクトにより毎月企画されている展覧会で、今回は、金網に毛糸や布を編み込む立体作品や、古着を用いたインスタレーションなどで表現活動を展開する嘉春佳の作品が並び、“意識としての他者との境界”や“記憶や日常の蓄積とそのゆくえ”について鑑賞者に投げかける。

 

1996年茨城県生まれの嘉春佳は2016年のスウェーデン留学を経て筑波大学で総合造形を学び、現在は東京藝術大学大学院で先端芸術表現を研究している。完全に分断することなく隙間を残して緩やかに分かつフェンスなどの金網に着目し、“他者との間に存在する意識としての境界”を認めながらも、断絶することなく繋がる可能性を残した表現を作品に込めている。また、もう一つの主たる表現手法として、古着を用いたインスタレーション作品も精力的に制作。記憶や経験を完全には共有できないということを、他者との間に生まれる境界意識の要因の一つとして考え、“着ていた誰かの痕跡を残す”ものとしての古着という存在に着目し、人の気配を浮かび上がらせた空間を作り上げる。2019年の中之条ビエンナーレでも、四万温泉地区の廃校を舞台に古着インスタレーション作品を発表し注目を集めた。

 

人と人との関係の在り方を一変させる事態に見舞われ、模索を続ける私たちは、作品たちが示す“境界”を見たときにどんなことを感じてどんな思考を巡らせるのか。この夏のビエントアーツギャラリーでは、時や空間を超えた思索の旅を体験できるかもしれない。

 

なお、館内では新型コロナウイルス対策徹底のため、入場の際はマスクの着用と手の消毒を必須としている。来場の前には必ず検温をして、発熱や体調不良がある場合は無理をせず自宅で静養を。

 

会場:ビエントアーツギャラリー(ビエント高崎1階西側)

会期:2020年8月8日(土)~9月21日(月)

時間:午後0時30分~午後6時30分

入場:無料

定休:火・水・木・金曜日

問合せ:TEL.080-9542-5241

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