洪水浸水対策に力を入れる

(2017年07月24日)


広報車を倍増し情報伝達を徹底

県が洪水浸水想定区域を改訂
近年、想定を超える浸水被害が多発し水防法の一部が改正されたことから、群馬県は、想定し得る最大規模の洪水に対する避難体制等の充実、強化をはかるため、対象河川について浸想定水区域の見直しを進めている。県は、今年6月に見直しが完了した一部河川として烏川、井野川、鏑川等の浸水想定区域図等を公表した。

県の公表資料によれば、最大規模降雨として烏川の場合は48時間雨量が783mm、井野川の場合は24時間雨量が667mmを想定し、浸水想定区域が示されている。

気象庁の上里見観測点の平均降水量は6月が167・7mm、7月が227・2mm、8月が240・1mm、9月が234・9mm、記録として残る最大雨量は1日に307mm(1981年8月22日)となっている。

 

積乱雲が連続する線状降水帯
ラジオ高崎の気象予報士、吉良武夫アナウンサーによれば、1時間に100mm程度の降雨が続いたり、1カ月間の平均雨量を降り始めから2日間程度で上回った場合は、河川が氾濫し、甚大な災害が発生する恐れが極めて高いという。今年7月の九州北部豪雨では、24時間降水量が300mmから500mm超となった地点もある。

吉良アナによれば、こうした規模の降水は、同じ場所に活発な積乱雲が発生し続ける線状降水帯により数10kmの範囲で豪雨となるケースや、停滞する前線に巨大な台風が接近するケースなどがある。吉良アナが近年のデータを調べたところ、高崎市に線状降水帯が発生した例は無いようで、日本列島の地形から高崎は発生しにくいものの、気象条件によっては線状降水帯が発生し得るという。昨年9月に茨城県常総市が被災した関東・東北豪雨では、前線が50kmほど西にずれていれば、高崎市で浸水被害が発生していた可能性は否定できないという。

 

高崎市が対策を拡充
高崎市は、災害時の住民避難や災害情報を該当地域の住民に伝える取り組みに力を入れている。ラジオ高崎や防災無線、安心ほっとメール、インターネットのSNSなどだけでなく、富岡賢治市長は高崎市が所有するスピーカー付き公用車を巡回させ、地域住民に直接知らせる方法を重視し、徹底した情報伝達の確保を強調している。高崎市は、スピーカー付き公用車を倍増する計画をこれまでに示している。

万が一に備え、洪水浸水想定区域内の高層建築物を一時避難所として活用するため、所有者との応援協定の締結を進めていく。避難時に支援を必要とする市民は、災害専用電話(321-5000)に連絡してもらい、公用車や災害時応援協定を締結している民間輸送事業者のバスを活用し避難支援を行う。

高崎市が実施している水害危険箇所総点検の結果を踏まえ、群馬県に対し、築堤工事や護岸工事、河川の堆積土砂のしゅんせつ、避難判断等に活用するライブカメラの設置を要望していく。

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