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鬼土楽・鬼そば（きどうらく・おにそば）／（通町）

（2014年7月16日）

手作り、愛情がつまった店内

　手打ちそばに日替わりご飯がつくランチセットを格安でいただける「鬼そば」。榛名町で15年間営んでいた「鬼屋」を惜しまれながら閉店し、今年３月通町に店を構えた。店内には古民具が配置され、壁には染色家だった先代による手描き友禅染が、壁に直に描かれた白椿は奥様の手描きという。大振りの花瓶には季節の花が咲き乱れ、料理は元造園家でもあるご主人作の焼き物に盛られ、店内すべてに店主の心意気が感じられる。

通好みの霧したそば

　旨みの強い“霧したそば”は、霧が舞う標高高い戸隠産で、石臼引き・手打ちにこだわる。しっかりとしたこしともちもち感が特徴の通好みのそば。割り下には砂糖、みりんは使わず、九州のもろみ醤油を使用。「自家製味噌にたまった汁（もろみ醤油）にそばをつけて食べたのがそばの始まり。江戸っ子のファーストフードだった」という。日本酒のつまみにそば味噌をつつき、そばを一枚すすり、締めにもう一枚そばを食べるのが粋な食べ方だ。そんな食べ方をしてみたい方も大歓迎だ。
　そばと割り下はご主人が、セットのご飯ものや小鉢、唐揚げなどは奥様が担当する。野菜てんぷらは限定10食、胡麻くるみつけ汁もすり鉢ですっているから濃厚な味わい。唐揚げ付のセットもしっかり食べたい時のランチにうれしい。笑顔のすてきな奥様の手料理とご主人こだわりのそばで、粋なそばランチを味わってほしい。