ナショナル・ジオグラフィック展
-写真で伝える地球の素顔-/(高崎市美術館)

(2014年7月10日)

「アフガンの少女」パキスタン、アフガニスタン国境 1984年
(C)スティーブ・マッカリー

「親子のきずな」タンザニア 1986年
(C)岩合光昭

「海中を泳ぐホッキョクグマ」カナダ 2004年
(C)ポール・ニックレン

大自然の美しさ、動物の気高さ、人間の限界への挑戦-

 高崎市美術館で開催中の『ナショナル ジオグラフィック展』が好評にスタートした。
 館内は、特集から第4章までの構成で、圧倒的な存在感の写真約180点が並んでいる。ナショナル ジオグラフィック協会は、米国ワシントンD.C.に本部を置く、非営利の科学・教育団体で、1888年に「地理知識の普及と振興」をめざして設立。以来、一万件以上の研究調査・探検プロジェクトを支援し、月刊誌「ナショナル ジオグラフィック」を通じて、美しい写真と文章で「まだ見ぬ地球の姿」を世界に伝えてきた。

「まだ見ぬ地球の姿」の美しさを-

 今回は同館のために企画され、これだけ多様な作品展であるという点でも見逃せない。
 特集は、写真家・野町和嘉氏の作品で、砂岩に描かれた人物像がリアルに迫る「等身大の射手」など、太古の時代の壁画や、インドネシアに生息するオオフウチョウ(別名・極楽鳥)の美しい色彩の雄の求愛ダンスの様子などの大きな作品が並ぶ。続く第1章は、冒険・探検の記録。ペルーのマチュピチュが100年前、発見された時の写真は、整備前の手付かずの遺跡がモノクロで悠久の時をとどめている。他、火山や世界最深地、結晶洞窟、深海に沈むタイタニック号、北極やアラスカの地など、人間が限界を求めなければ写せない写真ばかりに目が釘付けとなる。第2章は、野生の世界、第3章は人類と文化、第4章は自然科学となる。担当学芸員の角田真也さんは「是非各章ごとにお気に入りの一枚を探してほしい」と話すように、どの年代の方も滞在時間が2時間近くになるという人気ぶりだ。
 「まだ見ぬ地球の姿」の美しさに、時の経つのを忘れて見入ってしまう展示内容だ。是非、子供たちの夏休みの計画に、同展の見学を入れてみてほしい。

場所 高崎市美術館
住所 〒370-0849 群馬県高崎市八島町110-27
電話 027-324-6125
営業時間 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
金曜日のみ 午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
~9月30日(火)
HP http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014011000353/
備考 会期中の休館日:7月7日(月)・14日(月)・22日(火)・28日(月)、8月4日(月)・11日(月)・18日(月)・25日(月)、9月1日(月)・8日(月)・16日(火)・22日(月)・24日(水)・29日(月)

観覧料:一般 600(500)円 大学・高校生300(250)円
*( )内は20名以上の団体割引料金
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方および付添いの方1名、65歳以上の方、中学生以下は無料となります。