吉野秀雄顕彰短歌大会の優秀作品発表

(2014年11月28日)

歌人・吉野秀雄

最高賞に茂木さん、竹内君、梅山さん

 第13回吉野秀雄顕彰短歌大会の優秀作品が発表された。
 この短歌大会は、吉野秀雄の生誕100周年を記念し平成14年に始まった。今年は一般の部172首、学生の部(小中学生)4467首、学生の部(高校大学生)1565首、合計6204首の短歌が応募された。
 最高賞の吉野秀雄賞には一般の部が茂木きく子さん(伊勢崎市)、竹内孝太朗君(小5)、梅山歩美さん(高2)の3人が選ばれた。
 表彰式は、11月29日(土)に高崎市総合福祉センターで行われる。主な受賞作品は以下の通り。敬称略。


【一般の部】
◇吉野秀雄賞
茂木豈久子 ちぐはぐな会話もあれど父とゐる時を惜しまむ父百二歳
◇高崎市長賞
深澤巴 いつも吾に早く帰れと夫言ひきいましみじみとわかる淋しさ
◇高崎市議会議長賞
掛川真由美 雨の予報聞けば追ひかけ持たせたる夫の傘ひとつ傘立てにあり
◇高崎市教育長賞
小林文吉 耕しを終へて憩ひし人ならむ吸殻二本畑すみにあり
◇高崎市文化協会長賞
湯浅茂子 熟蚕(ずう)になれず拾はず置きし細き蚕条桑の枝に薄繭掛けぬ
◇群馬県歌人クラブ会長賞
木村あい子 孫の飼ふ五匹の蚕は手作りの小さき蔟(まぶし)に糸を吐き継ぐ
◇ラジオ高崎社長賞
吉澤八千代 戦なきを願う八十路の星まつり男の児ふたりの曾孫を抱いて

【学生の部】
◇吉野秀雄賞
竹内孝太朗 「母校だ」とテレビのむこうの球児見るボクの知らない母の青春
梅山歩美 背比べぎらぎら眩しい真夏の日勝者は向日葵敗者は私
◇高崎市長賞
新井知仁 丸刈りに思いを込めてグラウンドへ長い夏へとかけ出して行く
冨澤奈菜子 ふりむけば入道雲が山の上追われて逃げる家までの道
◇高崎市議会議長賞
石川凌 夕立の風にゆれたるカーテンのかげで聞こえる風鈴の音
長野暖愛 夕映えの空にかがやく一番星さみしさだけが心に残る
◇高崎市教育長賞
杉田蒼葉 あのまどもこのまどべにもおいしげるみどりの葉かげゴーヤかお出す
横田優大 毎日が単調だと思う日々そんな中でも自然は移ろう
◇高崎市文化協会長賞
飯塚暖菜 父さんと犬の散歩の小道には頭の上からせみの声ふる
田中志歩 褐色の肌をみるたび思い出す自転車の旅仲間の笑顔
◇県歌人クラブ会長賞
厚木妃麗 大好きなあの子のとなりなりたいなせきがえの日はいつもドキドキ
永山七虹 燕の子首を伸ばして母を待つひとり夕暮れ私のように
◇ラジオ高崎社長賞
鹿沼風旭 この夏は水着の跡がくっきりとはずかしいけどほこらしくなる
綿貫友美 鳴り響く目覚まし止めてあと五分繰り返される朝の戦い