客席不足で浜川競技場が降格か

(2014年12月11日)

写真を拡大浜川競技場

「国際大会誘致に逆行」と議員指摘

 高崎市は、浜川運動公園を現在の19ヘクタールから2倍の広さに拡張し、全国大会や国際大会を誘致、開催できる施設として、テニスコート21面、ソフトボール場4面、サッカー場2面を建設する計画を進めているが、浜川競技場が、現状のままでは全国大会レベルを開催できる日本陸上競技連盟第2種公認競技場から、県大会レベルの第3種競技場に降格する状況になっていることが、高崎市議会でたびたび取り上げられている。市議会12月定例会では2日の一般質問で堀口順議員がただした。
 浜川競技場は、昭和58年に建設され、赤城国体ではラグビー会場となった。面積は2万7900㎡、全天候型8レーンのトラック、観客席はメインスタンドと芝生席合わせ2300人収容、ラグビー、サッカーの試合に使用できる天然芝グラウンド、雨天練習場、1万8千㎡の補助グラウンドなど。25年度は5万人以上が利用している。
 浜川競技場は、平成24年度に第2種継続のための改修を行い、平成25年3月に日本陸上連盟の更新審査を受け、第2種のうち一部仕様を満たさない「B競技場」として5年間の期間で公認されている。
 問題となっているのは、第2種に必要な観客席5千席などの仕様を満たさないため、B競技場として公認されていることで、日本陸連が今後、B競技場の扱いをやめる方針であることから、平成29年3月末までに観客席5千席の仕様に満たない場合は第3種に降格されるという。第2種競技場は全国規模の大会が開催できるが、下位の第3種は、県大会レベルの開催までとなっている。
 また、浜川競技場はトイレや通路のバリアフリー化など、障害を持った利用者に対する施設面の課題も抱えている。
 堀口議員は「本市がめざしている国際大会、全国大会が開催できるスポーツ施設の推進には正反対になる」と懸念を示した。
 高崎市は、浜川運動公園が拡張され、大きな大会が開催されるようになると、浜川競技場は公園のシンボルとしての役割が強くなり、サッカー、ラグビーのメイングラウンド、大会の式典会場として利用されることになると考えている。市は、観客席の増設をはじめ、2種公認の継続に向けて研究を行いたいとし、障害者対応のトイレ、施設内に車椅子用のスロープが少ないことなど、バリアフリー化も検討していくという。
 浜川運動公園の拡張計画については、来年度測量、実施設計を行い、第1期工事としてテニスコートとソフトボール場に着手し、第2期工事で全体を整備する考え。全施設の完成時期は、今後の詳細設計の中で決定していくという。合わせてアクセス道路となる浜川運動公園通り線を再整備する予定。