高崎文化芸術センターの基本設計固まる

(2015年1月22日)

外観
メインホール
小音楽ホール
メインスタジオ(能舞台の例)

上信越北関東を代表する施設。平成30年度完成めざす

 高崎市は、高崎駅東口で進めている高崎文化芸術センター(仮称)の基本設計を21日の高崎市議会都市集客施設調査特別委員会に示した。
 この基本設計は、施設の概要を定める最終案で、これから行われる実施設計で細部に修正が加えられることもあるが、高崎文化芸術センターの大枠が、これで固まったと考えられる。
 基本設計によれば、高崎文化芸術センターは多目的ホールのメインホールを中心に、メインスタジオ、小音楽ホール、スタジオ9室などで構成され、地上5階、地下1階、建築面積約9千㎡、延床面積2万7千㎡、最高高さ約38m。
 高崎文化芸術センターは、高崎の都市文化のシンボルとなるもので、上信越、北関東を代表する音楽ホールとして高機能な舞台装置や高い音響水準を備える。群馬音楽センターが高崎の文化を創造してきた歴史を尊重しながら、音響、舞台回り設備、客席の快適性、搬出入の不便さなど、群馬音楽センターが抱える諸課題を踏まえ、鑑賞者、演奏者、主催者が使いやすい施設となる。
 主な配置は1階と2階がメインホールとメインスタジオ、4階と5階が小音楽ホール、4階にスタジオ。メインホールは上階まで吹き抜け、ホール空間容積、ステージ天井高を確保する。
 メインホールは2018席の多目的ホールでバルコニー席、サイドバルコニー席を設ける。バルコニー席は当初案のシューボックス・スレッジ形式が複雑な動線になることから変更された。舞台はプロセニアム形式(額縁形式)で、間口は18m、最大28m、奥行き18mで客席とステージの一体感を持つ音楽センターの良さを継承した。音響反射板使用時は間口23m、奥行14m。プロセニアム高さは可変で14mから9m。
 メインスタジオは、移動式562席、スタンディング形式で1000人収容。ステージは間口18m、奥行5・4m(3間)から9m(5間)の可変ステージで、ロック演劇、能などの伝統芸能まで幅広く利用できる。
 小音楽ホールは、群馬県内初の高音質な音楽専用ホールで、413席、舞台間口12m、奥行き7m。室内楽やリサイタルに適し、木のぬくもりに包まれた上質な音楽空間で、品格の高い、音楽の殿堂と呼べるホールとなる。
 スタジオは9室で、最も大きなスタジオは群馬交響楽団のリハーサルに利用できる。市民の音楽活動の練習場所として創造活動を支える機能を担う。 メインホールの客席間隔は前後95センチ、左右52センチで、音楽センターよりも前後10センチ、左右5センチ広くなる。女子トイレは音楽センターの3倍程度を設け、客席、トイレについても他のホールと比較しても高水準な設備にする。
 1階にはカフェ、レストランが計画され高崎産食材を使った飲食を提供する。
 建物外観は、東西に連なる水平ラインとガラス壁面の透明感が特徴的で、東口線側のガラス壁面からメインホールの「高崎紅」のシンボルカラーとホールのにぎわいが映し出される。また、西側に建設予定の再開発ビル(商業・ビジネスゾーン)との一体的な景観となり、境界部分には憩いの場としてプロムナードが予定されている。 高崎市は、高崎駅東口からペデストリアンデッキで高崎文化芸術センターの2階に接続する計画を県と協議中で、ペデストリアンデッキは東口線の中央分離帯上の建設される見込み。駐車場は分散方式で、東口線北側などに数カ所を設置する方向で調整を進めている。
 高崎市では、平成28年12月に新体育館が完成し次第、高崎文化芸術センターに着工したい考えで、平成30年度中の完成をめざす。