まちなかにアート出現

(2015年5月2日)

写真を拡大ジョアン・ドゥケさんの作品
写真を拡大画面左:豊田玉之介さんの作品
写真を拡大エステル・デシャンさんの作品

高崎が非日常に変わる5日間

 GWの5月2日~6日までの5日間、市内4ヶ所の公共空間を舞台に「高アート」(主催・高崎観光協会と高崎アートインキュベーション推進協議会)が開催されている。
 初日の2日午後、高崎駅西口前広場でオープニングセレモニーが開かれ、アートディレクターを務めた「パレ・デ・パリ」のフレデリック・ヴェジェルさんと須藤佳子さんが参加アーティスト10人を紹介した。
 高崎駅西口前広場には、フランスの造形作家ジョアン・ドゥケさんが手がけた大きな作品が展示された。この作品は、世界初のSF映画『月世界旅行』へのオマージュしたもの。ドゥケさんは、自転車の後ろに設置した木製の巨大ロケットを自ら引いて、会場に登場し、拍手で迎えられた。ロケットを宇宙ステーションに設置するというパフォーマンスを披露した。ドゥケさんは、「子供の時見た『月世界旅行』は、初めてイマジネーションをかき立てられた映画。大切にしてきた夢を託した作品。私と一緒に月へ旅しましょう」と笑顔で話した。
 また、駅の西口デッキの縁とラジオ高崎の本社ビルの壁に掲げられた“漫画のコマ”を想起させる作品は、地元高崎の造形作家豊田玉之介さんによるもの。無表情の少年の顔の横に、描かれた吹き出しは空白で言葉は無く、鑑賞者が自由に発想して楽しめる。
 シティギャラリーのハローフォーラムには、高チャリをモチーフにした作品が20台展示された。入れ替えのため廃棄する高チャリで、カゴ部分が取り外され、一台一台違うオブジェが設置された。一台だけ、オーケストラの指揮者のように中心に置かれ、マイクが掲げられ、作品を見た人は「おもしろい。自転車が意志を持って何か話し出しそうに見える」と感心していた。作者の造形作家のエステル・デシャンさん(仏)は、「見る人がいて初めてアートは完成します」と話すように、タイトルも無いので、見る人が自由に発想してほしいという。
 「パレ・デ・パリ」のフレデリックさんは、「日常の中で、ちょっと変だな、と思うような作品かもしれないが、自分の中でストーリーを作って楽しんでほしい」と話している。