個人発信の小冊子zineを楽しもう
zineの展示と販売するイベント
ZINPHONY(ジンフォニィ)

(2015年6月10日)

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6/27 Sat.‐28 Sun.

 WebやSNSで個人が気軽に情報発信できる現代、敢えてアナログな手作りの個人冊子「zine(ジン)」を通じてコミュニケーションする人達がひそかに増え始めている。
 学生時代、誰もが文集や修学旅行の冊子を作った経験があるはず。思えばそれはzineの始まりかも。自分の思いや趣味、旅の思い出や詩、小説、イラスト、写真…。思い思いにページを作るzineの中身は十人十色。体裁も紙もデザインも自分で決める。zineを誰かが手に取った時、zineは共鳴しはじめる―

小さなメディアから生まれるコミュニケーション

 ZINPHONYを主催するのはデザイナーの荻原貴男さん、35歳。きっかけは、アメリカ・オレゴン州のポートランドへの旅行だった。「zineの文化が根付いたポートランドにはzineのお店がたくさんある」と聞いていた通り、ポートランドの本屋の一角にはzineのスペースがあったり、zineからスタートした出版社もあった。それは決して一部の人達のものではなく、白黒コピーの紙をホチキスで留めて作る誰もが発信者になれる冊子。文章だけのもの、政治的意見や自転車の手入れ法、天然素材での掃除方法や詩、物語等々、テーマは多岐に亘る。
 「ブログやSNSよりも手間ひまかけて作るzineは、ただならぬ思いが入っている。自分の世界観を作る面白さ。CDを付けたり、作りたいものを作れる魅力がある」と話す荻原さん。更に「多くの作品の中から厳選してお金を払って買ったzineは読む方も真剣に読むのでは」という。結果、zineという表現を通じてコミュニケーションが広がることも。萩原朔太郎についてのzineを作れば、朔太郎に共感する人との繋がりが生まれるかもしれない。「自己満足ではつまらない。あくまで読み手を意識して作る方が面白い。だからペンネームでもいいので名前と連絡先を紹介することを奨励しています」。

買う人にも作る人にもなれる

 二年前に初開催し今回4回目となるこのイベント。「全く手さぐりでしたが、声を掛けた人達が予想を上回る形で参加してくれた。テーマも幅広く、毎回予測がつかない面白さがあります」とその魅力を語る。イベント名のZINPHONYは、「ジン」と「シンフォニー」を掛けて名付けた。いろいろな人の表現が集まった空間を様々な楽器が奏でるシンフォニーに重ねる。「紙に向かって一定時間、真剣に向き合うことはエネルギーが必要」と言うように、zineは小さなメディアだけど大切な思いが詰まっている。
 お気に入りのzineとの出会いは、大切な友達を見つけた心境に似ているかもしれない。はたまた宝物を見つけるような冒険心をくすぐるかも。とにかく行ってみないとわからない、ZINPHONYの世界へ。

ZINPHONY
◆6/27(Sat.):11:00‐22:00 ◆6/28( Sun.):11:00‐18:00
会場:SNARK 3F 高崎市田町53-2 3階
*昼間は珈琲を、初日の夜はお酒を飲みながらお楽しみ下さい。
*専用の駐車場はありませんが、近隣にコインパークが多数あります。