アヅマ補聴器センター

(2009年1月)

アヅマ補聴器センターこ〜んなに小さい耳あな型

アヅマ補聴器センター池上香英子社長

安心できる、認定補聴器技能者のいる店で

街の電機屋から、認定補聴器専門店へ

アヅマ補聴器センター

 

 今回は「サウンドパレット(株)アヅマ補聴器センター・高崎支店」(高崎市砂賀町)を当誌広報委員の根岸良司さん(株トレンディ会長)と訪ね、池上香英子社長と、黒岩昭彦常務にお話をうかがった。(取材は前橋本店)。


 会話の聞き取りや聴こえに不自由を感じた人が使用する“補聴器”の市場は、決して大きいとは言えない。この小さな“補聴器市場”で営業し続けている「アヅマ補聴器センター」にどのような努力があるのか、探してみよう。


●購入者が限られている補聴器

 「アヅマ補聴器センター」は昭和29年、現池上社長の父、剣持民司氏が家電の販売と修理を行う〝街の電機屋さん〟「アヅマ電機」として創業した。創業当時からわずかに補聴器を扱っていたが、平成15年には家電事業から完全に撤退し、補聴器専門店として見事にお客様を獲得している。


 補聴器は全国で年間475、000台(2007年日本補聴器工業会)が出荷されており、平均価格20万円としても、市場としては決して大きくはない。今後高齢者が増え補聴器を必要とする人口が増えることを加味しても、補聴器使用者の数は限られる。


 あえてその補聴器に絞って、家電を完全撤退した背景には、家電量販店の急激な成長があっただけではなく、自らも戦争で左手を負傷した経験を持ち、積極的に福祉事業に携わっていた先代剣持社長の想いを感じる。


●聞こえにくいお客様に配慮した応対を

 加齢による聞こえにくさを知られたくない、隠しておきたい人には、その相談こそが大きな気苦労だ。また、あまり聞こえていないことを自覚していない人も多い。「アヅマ補聴器センター」を訪ねると、聴こえの測定や、商品説明、購入までの手順説明なども親切・丁寧に対応してくれるので安心だ。高崎支店には販売員とお客様が近い距離で話ができる対面ブースが、2つ設けられている。プライバシーが保たれ、納得のいくまで説明を受けることができる。


●購入から始まるサービス、保守、調整

 補聴器は形で分ければ、ポケット(箱)型、耳あな型、耳かけ型、等がある。それぞれに、長所、短所を持つが、どの器種も、フィッティング(音量・音質の適切な調整等)、掃除、電池交換、装着、取り外しの練習などが必要である。こうした個々のお客様とのやりとりの記録は、パソコンに入力され、本支店間で共有の顧客データとして、保存されている。そうした顧客管理により、どこの店においても継続的にサービスを受けることができる。


 店内でのフィッティング、性能を維持するための掃除、点検は、いつでも無料で行っている。


 利用者に聞くと、「購入した補聴器を使い続ける限り続くサービスは本当にありがたい」との事。高齢者が多い補聴器利用者には、単に電池交換、音量調節といっても決して楽な作業ではない。


●補聴器販売店は専門店が望ましい

 補聴器は電機店や眼鏡店でも扱われているが、補聴器を購入する際は、技能者のいる認定補聴器専門店が望ましいだろう。


 単に音が聞こえればいいというのではなく、相手の話し方、音質、周囲の雑音、生活環境等いろいろな状況の下で、聞きたい会話が聞こえるようになるには、お客様毎に補聴器の微妙な調整が不可欠なのである。


 今まで当たり前のように聞こえた音が聞こえにくくなる、この不自由は経験した人でなければ理解できない。「時間をかけてその方のライフスタイルや聴こえの悩みをお聞きし、より適した補聴器と調整を提供させていただきます」と黒岩常務は言う。高性能な補聴器には騒音抑制や指向性など様々な機能があり、お客様の聴こえを満足させてくれるそうだ。


●お客様のために、県内にさらに専門店舗を

 「より快適な生活を送っていただくお手伝いをするために、いつでも対応できるコンサルタントを目指す」という黒岩常務のことば通りに、この「アヅマ補聴器センター」を信頼し多くのお客様が訪れている。取材の日も朝から店内(本店)には7~8名のお客様が来店していた。


 しかし国内で補聴器が必要とされる人の数は約1、900万人(日本補聴器工業会)と言われ、普及率はまだ低い。最新の補聴器の価格は15~50万円位までと、高価なイメージがあるが、20万円の補聴器を5年使用した場合、1日約110円で日々の聴こえの不自由を解消できれば高いものではないだろう。


 「今後もお客様から信頼される店づくりを目指し、遠方から来店してくださるお客様がより便利になるよう、群馬県内に店舗を増やしたいと考えています。」と池上社長は言う。高齢者にとっては、最寄りの専門店まで出向くことだけでもひと仕事なのだ。「それには応対できる人材を育てる必要があるので今すぐは無理ですが、時間をかけて少しずつ実現に近づけていきたいと思います」明るい店内で池上社長の眼差しが頼もしい。


認定補聴器専門店=(財)テクノエイド協会が、一定の人的要因と設備が適合し補聴器の適正な販売が行われていると認定された店
認定補聴器技能者=(財)テクノエイド協会が、補聴器の販売や調整などに携わる者に対し、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格である。


サウンドパレット(株)アヅマ補聴器センター
所在地:高崎市通町93-26 山一ビル1F
電  話:0120-48-4133
URL:http://azuma-hac.com/


高崎商工会議所『商工たかさき』2009年1月号

高崎の都市戦略 最新記事