アパマンのノウハウで低料金を武器に、ビジネスホテル事業に進出

(2008年12月)

代表取締役・川本裕明さんビジネスホテルらかん

ビジネスホテルらかん代表取締役・川本裕明さん

株式会社 群馬総合土地販売

 昨年4月、不動産流通事業として旅館を取得した。当初は改装してアパートや寮として貸すことも考えたが、採算面を考えると難しいと判断して、自社で旅館業を継続することを決めた。業界に詳しい知人に相談すると、「そんなに難しくないよ」と背中を押してもらった。  旅館業は素人だが、「自分達がどんなホテルや旅館に泊まりたいか」を社員と話し合い、お客さまの感覚でマニュアルを作った。実際にお客さまから教えられることも多いという。不動産部門から社員1名を配属し、アルバイト数名と切盛りしている。

 コンセプトは洋室シングル4、800円・ツイン7、600円(一人あたり3、800円)という低料金。営業開始から2ヶ月あまりだが、この料金設定が支持されて早くもリピーターが付き始めた。アパート経営のノウハウで、改装など初期投資を抑えた結果、実現した低価格だ。

 川本社長によると、意外と休日前の3人グループによる和室利用(これも一人あたり3、800円)が多いという。一方でビジネスユーザーにまだ浸透していない点と合わせて、旅館というイメージが先行していると分析する。

「他業態への進出に不安もあるが、企業としては勉強になっている。考えてみれば、部屋を貸すという点では賃貸業と共通。社員も面白い部分を感じながら学んでいるようで、いい教材になっている」と川本社長は話す。また、「今はまだ食事は出していないが、厨房設備があるので、いずれ割烹旅館のようなスタイルにも発展させたい」と期待を膨らませる。

 新聞に掲載されてから、「旅館を買わないか」と打診があるそうだ。もちろん〝今すぐに〟という訳にはいかないが、『らかん』が軌道に乗ってノウハウが蓄積されれば、第二、第三のホテル事業に進出する可能性も充分にある。

 最後に屋上に案内してもらった。「ここでビアガーデンや花火観賞したいですね」とにこやかに話す。川本社長自身が、あまり焦らず気負わず、そして楽しみながら挑戦しているようだ。

ちょっと一言

全館禁煙、無料駐車場、24時まで利用可能な大浴場が完備されている。洋室2名利用または和室3名利用の場合、料金が1人当たり3,800円と低価格で、女性のグループなどの利用も目立つ。ビジネスホテルという一般的なイメージではなく、閑静な住宅街の和風旅館を想像していただきたい。

株式会社 群馬総合土地販売
代表取締役 川本裕明
住所:高崎市通町76
電話:027-323-0021
ビジネスホテル らかん
電話:027-386-3800
URL:http://rakan-inn.co.jp

高崎商工会議所『商工たかさき』2008年12月号

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