超微細な「穴」を空ける高度技術

(2009年3月)

超微細な「穴」を空ける高度技術外形45mm×45mm 板厚3.7mm 穴径0.2mm

超微細な「穴」を空ける高度技術代表取締役社長:吉川 亨さん

株式会社ヨシカワ

「穴を空けるだけなら誰でもできる」

 直径50ミクロン(0.05ミリ)、微細な穴加工技術を持つ株式会社ヨシカワ。樹脂、金属にドリルで穴を空ける作業、と言ってしまえばひとことだが、ミクロン単位の精度を出すのは一筋縄ではない。ヨシカワには熟練した技術と経験に裏付けられたノウハウが蓄積されている。

「ドリルの回転速度と送り速度が最も重要」という吉川亨社長。ドリルに加える力が強すぎれば、刃が歪んで精度が落ちる。最悪の場合は刃が折れてしまう。穴の内側も均質で滑らかでなくてはいけない。一つの部品に高精度の穴を数百カ所も加工することもあり、仕上げるのに六時間以上かかる物もある。一カ所でも誤差があれば不良品。「機械を動かして穴を空けるだけなら誰でもできる。お客様が求める精度、品質にできるかどうか。求められた精度より高い水準の製品を納められるのが当社の強み」と吉川社長は言う。

社運をかけ超精密加工に設備投資

 ヨシカワは昭和42年に父・民平氏が創業。吉川社長は、28歳でヨシカワに入社した。  7、8年ほど前から、製品のコンパクト化・軽量化の潮流が強くなってきた。半導体部品の高密度集積などに対応するため、ミクロン単位の精度を持った生産体制が避けて通れない。加工設備だけでなく、電子顕微鏡や三次元測定器などの検査機器、ミクロの技術が要求される。「この道しかない」と吉川社長は決断し、会社の方向を決めたという。

「いい仕事をしよう」というイメージが大切

 受注は多品種小ロットで、無理難題の図面を持ち込まれることもある。「できません、と言ってしまえばそれまで。ヨシカワがなんとかしてくれると、信頼されていることがうれしい」。

 今まで、営業は社長一人だったが「4月からは、生産現場、事務のスタッフも営業に出したい」と考えている。直接お客様に接して仕事の意味を肌で感じ、見聞を広めてほしい。「いい仕事をしようというイメージが大切。精度を高め、更に超微細な穴加工に挑戦したい」と言う。

代表取締役社長:吉川 亨
住所:高崎市中大類町465-1
電話:027-352-3737
FAX:027-352-3738
URL:http://www.yoshi-kawa.com/

高崎商工会議所『商工たかさき』2009年3月号

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