“おやじ”がいるから思いっきりできる

(2009年4月)

“おやじ”がいるから思いっきりできる「高崎だるま手作最中」

“おやじ”がいるから思いっきりできる宮澤啓(けい)さん、軍司郎さん

御菓子司 微笑庵(みしょうあん)

 卒園式を明日に控え、お祝い用のお菓子づくりに追われる軍司郎さん・啓さん親子。「お菓子は分担してチームワークで作るもの」と、啓さんの動きに呼吸を合わせるようにリズミカルに手を動かす軍司郎さん。啓さんが三代目を継承し、屋号を「微笑庵」としてからは、全てを任せ軍司郎さんは黒子に徹している。

 創業は1929年の「みやざわ製菓」。当初は地域の和菓子店であったが、二代目の軍司郎さんは故郷を代表する銘菓作りに没頭した。その後顧客の支持を受け、店頭だけでなく駅売店にも販路を拡大していった。

 啓さんはツアーガイドを志すが、父の「その仕事は他の人でもできるが、この店を継ぐのは啓しかいない」という言葉で家業を継ぐ決意をし、一生の師と仰ぐ名人、千葉の「菓匠京山」佐々木勝氏の下で3年間修行を積んだ。

 やがて家業に入った啓さんは、素材や鮮度を大切に100%の手作りにこだわった。和菓子の真髄といえる餡(あん)は、原料を厳選し自分で炊き上げるようにした。しかし、そうした思いや努力は一向に結果が出ず、苦悩の日々が続いた。

 平成12年、県産品のブランド化事業に応募し、あの“ダッコちゃん”の企画・デザインをした大木紀元氏のアドバイスを受ける機会に恵まれ、大きな転機となる。啓さんは、軍司郎さんに相談し、商品名やパッケージデザインを一新。屋号も「微笑庵」とすると、啓さんのお菓子作りを通したメッセージがお客様に届くようになった。

 「店名や商品名を変えることにはさすがに抵抗があったが、お客様に対する真摯な姿勢は同じ」と、軍司郎さんは大きな気持ちで受け入れ、啓さんを支えている。 「“ちごもち”に最適なイチゴの栽培農家を探してくれたのも父。行動力はさすがです」と、頼れる黒子の存在を感じながら、啓さんは納得するお菓子作りに意気揚々と取組んでいる。

ちょっと一言

 禅宗の逸話から、“以心伝心”を意味する「拈華微笑(ねんげみしょう)」。説明しなくても心から心に伝わる本物の匠の味を届けたいという思いにぴったりの言葉から「微笑庵」を屋号とした。極上の餡・丹波大納言を自分で最中のカワに詰めて食べる「嘉祥献上最中(かじょうけんじょうもなか)」をはじめ、本物の美味しさが際立つ和菓子が並

代表取締役 宮澤 軍司郎
住所:高崎市剣崎町1038-4
電話:027-343-3026

高崎商工会議所『商工たかさき』2009年4月号

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