会社に三世代がそろい踏み

(2009年6月)

会社に三世代がそろい踏み左から紀之さん、光夫さん、洋介さん

会社に三世代がそろい踏み配電盤を組み立てている工場内

クシダ工業株式会社

 「地方の中小企業の場合、経営者は世襲制で長男が継ぐというのが一番いい」というのが串田紀之社長の持論。家でも会社でも何かを受け継ぐというのは大変な責任や覚悟がいる。だからこそ、個人ではなく意識やノウハウ、血縁という固い絆のある「家」という器が大切になってくる。

 クシダ工業は電気設備や上下水道設備、管設備工事など生活を支えるインフラ整備で業界をリードする県内屈指の企業。今年で57期を迎えるこの会社の、将来を担うべく生まれたのが長男の洋介さん。今年、都内の情報サービス業の会社を退社し、クシダ工業に入社した30歳。洋介さんの入社を一番喜んでいるのは、祖父で顧問の光夫さん、86歳の現在も毎日出社している。

 洋介さんは幼少の頃より、光夫さんに大きくなったら会社を背負って立つこと、100億円企業を目指し群馬県内で終わらない企業になることなどを言われ続けてきた。しかし、高校生になると、既にレールが敷かれていることへの反発心、自分の将来は自分で決めたいという思いが強くなった。高校3年生のとき、紀之社長が突然病気で倒れるという事態が生じた。反抗などと甘えている場合ではなく、経営の勉強をするために大学は商学部に進学した。

 紀之社長は社長就任後、広く顔を知ってもらうため、会合という会合は全て出席し、その気負いが大きなストレスとなり病気の原因となった。そのため、社長になって今年で15年目となるが、そのうちの約10年間は、病気の後遺症から本調子ではなかった。

 「社員には心から感謝していますが、失われた10年はやはり悔やまれます」と振り返りつつも「これからの10年は一生懸命精進し、次の代へよりよい状態で会社を引き継ぎたい」と、長いトンネルを抜けたような父の力強い言葉を、うなずきながら聞いている洋介さん。支え合える人が傍にいる安心感が伝わってきた。

ちょっと一言

 紀之社長は、洋介さんが高崎に戻ってきたこともあり、これからは一緒にお酒を酌み交わしたり、二人の共通の趣味でもあるゴルフに行ったりして社長としての考え方や経験を次代の社長に伝えていきたいという。

クシダ工業株式会社
顧 問・串田光夫
代表取締役社長・串田紀之
社長付企画室室長・串田洋介
住所:高崎市貝沢町965
電話:027-362-1231

高崎商工会議所『商工たかさき』2009年6月号

高崎の都市戦略 最新記事

勝ち残る専門店

グラスメイツ
グラスメイツ
メガネ店の店員も買いに来るメガネ専門店
辰巳
辰巳
印傳と陶器の専門店/県外からもお客様
有限会社三洋堂
有限会社三洋堂
パソコン全盛時代に書道のおもしろさを伝える

すべての記事を見る