FC加盟で“商売の技術”を学ぶ

(2009年6月)

FC加盟で“商売の技術”を学ぶ店内の南フランス風の街並み

FC加盟で“商売の技術”を学ぶ代表取締役:丹下裕二さん

丹下写真館

 「七五三、入学式、卒業式、成人式、結婚式、還暦や喜寿のお祝いなど、その他家族にとって記念すべき晴れの日であったり、節目のときであったり、記念写真は家族の歴史を切り取り、嬉しい表情をとらえます。写真を撮らせていただいて、喜んでもらったうえに、代金を頂戴できる。そんな家業を身近に感じながら写真屋はいい仕事だと思って育ち、今はそれを実感する日々です」と話す丹下裕二さんは、1919年に通町に創業した丹下写真館の3代目だ。

 出兵する兵隊さんが家族と一緒に写真を撮った時代からほぼ一世紀。写真館がただ写真を撮っていればいいという時代ではないと考え始めていた丹下さんは、考え方が同じ愛知県の写真館が始めたフランチャイズチェーン「創寫舘」に加盟することを決意した。1998年緑町に「高崎創寫舘」をオープン、駐車場を完備し、ヘアメイクと衣裳部門を備えた郊外の写真館に転身した。

 「大きく変わらないと変える意味がないと思いました。通町で従来通りに営業していたら、しばらくはやれたとしても、いつかは先細りになり、夢を持って働く環境を維持するのは難しくなっていたでしょう」と、丹下さんは10年前を振り返る。資金的なこともあったが、そんな無理をする必要があるのかと反対する父親を説得するのは、決して簡単ではなかった。しかし、障害を克服する道のりは、自分自身の決意を確かめ、熟考する過程でもあった。

 そして10年経った今、決断は正しかったと思っている。昔からのお客様が新しい写真館に足を運んでくれるうえ、新規のお客様も増えた。「あそこは丹下写真館がやっているから行くといい」とおじいちゃん、おばあちゃんに勧められて来たというお客様もいる。地元の写真館が、フランチャイズのノウハウを得て、既存のお客様だけでなく、新規のお客様にアピールしていく力を得た。また新しいやり方の中で、新しいやりがいも見つけた。

 より嬉しいことは、4代目となる息子が継ぐと言えば、より夢の持てる可能性のある家業として渡せることに、自信がついたことだ。

ちょっと一言

 高崎創寫舘10周年を記念して、インドアロケステーションスタジオ「テラコッタ・ガーデン」を店内に設置。南フランス風の街並みをバックに、撮影の待ち時間に衣裳を着けたまま写真撮影が楽しめ、お客様から好評を得ている。700点以上の衣裳が揃い、ヘアメイクも着付も最高の技術を提供している。

有限会社丹下写真館 高崎創寫舘
代表取締役 丹下裕二
高崎市緑町4-5-6
TEL:027-365-2468
URL:http://www.takasaki-soshakan.com/

高崎商工会議所『商工たかさき』2009年6月号

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