愛車が電気自動車に生まれ変わる

(2010年3月)

愛車が電気自動車に生まれ変わる

愛車が電気自動車に生まれ変わる長瀬努社長

夢を叶えたシステムに日本中から問い合わせ殺到!

株式会社キャロッセ

 

 キャロッセは、自動車のチューンアップパーツを開発・製造し、CUSCO(クスコ)というブランド名で販売している。製品のPRとスキルアップを視野に入れ、モータースポーツにも参戦。世界を相手に実績を残すグローバルな企業である。


 1977年に故・加勢裕二氏が創業したキャロッセは、同氏の強い希望で「地元への感謝と貢献」を理念としてきたが、日本はモータースポーツ後進国であったため、皮肉にも国内より海外での評価が先行していた。しかし、今回の新たな試みを契機に、日本中から注目されている。


 市販車(スズキ・ジムニー)のエンジンを電気モーターに置き換え、電気自動車(以下EV車)に改造することに成功し実用化した。家庭用コンセントから充電できる仕様になっており、およそ12時間の充電で120km程度の走行が可能。“燃費は1キロあたり1円程度”というから驚きだ。「時代はエコブームですが、思い入れのある車に乗り続けたいという理由で、買い替えを控えるオーナーも多いです。100~300万円程度の改造費はかかりますが、環境にも優しく、しかも好きな車に長く乗り続けられるのです」。車輌の強度解析を行い認可が必要だが、理論上は車種・年式に関わらずEV車に改造することが出来るのだという。キャロッセでは全国の自動車整備工場と提携して、自社開発したEVシステムの普及とビジネス化を目指す。


 「走行距離に限りはあるものの、近隣の運転であれば全く問題ありません。現在は農業分野での利用の問い合わせが非常に多いです。軽トラックのEV化にも挑戦してみたいですね」と実用へ向けて積極的だ。


 大手自動車メーカーが新型のEV車開発に奔走する中、キャロッセの斬新な試みは、自動車業界に“新たな楽しみ方”を示した。根強い自動車ファンを大切にしながら業界を牽引するキャロッセの挑戦は、まだ始まったばかりだ。


ちょっと一言

 EV車の課題は、バッテリー容量にある。蓄えられる電気量に限度があるため、ワイパーやエアコンの使用で走行距離が短くなるという現状がある。キャロッセではブレーキ摩擦を利用した充電装置の導入や、電気系のシステム改良で、快適で実用的なEV車を目指していくそうだ。


株式会社キャロッセ
代表取締役社長:長瀬 努
住所:高崎市新保町1664-1
TEL:027-352-3578
FAX:027-352-1919
URL:http://www.cusco.co.jp/

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年3月号

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