建具屋からの転身で大成功/人工大理石を加工・施工する希少な存在

(2010年3月)

建具屋からの転身で大成功/人工大理石を加工・施工する希少な存在加工した人工大理石を接着したカウンター

建具屋からの転身で大成功/人工大理石を加工・施工する希少な存在洗面台用に加工された人工大理石

建具屋からの転身で大成功/人工大理石を加工・施工する希少な存在会長の武石民夫さん

関東人大株式会社

 

●人工大理石との出会い・加速するブーム

 関東人大は、施工も行うが主に人工大理石の加工に特化した国内でも数少ない企業である。人工大理石は手触りが良い、高級感がある、カラーバリエーションが豊富などの特徴がある。最近の人工大理石は、本物に負けない見た目や質感があり、本物より安価で加工がしやすい。以前は企業やホテル等で使用されることが多かったが、近年ではキッチンや洗面台などの資材として一般家庭でも使用されることが多い。


 創業者でもある武石会長は以前、建具屋を営んでいた。その腕前は全国規模のコンクールで入賞するほどの実力者であったという。しかし、20年以上前に知人の紹介で人工大理石と出会い、その魅力にビジネスの可能性を感じて一念発起、関東人大を設立した。


 他社に先駆けて人工大理石を専門に取り扱い、住宅ブームやバブルも重なり、瞬く間に業績を伸ばした。特に1998年に開催された長野オリンピックでは、会場付近のホテルや関連施設が数多く整備され、関東人大も多くのカウンターや洗面台の施工を請け負った実績がある。


●建具の経験が会社の強み

 日本でも類を見ない大きさの自動研磨機を導入しているため、他社には扱えない大きなサイズまで加工できるのが特徴だ。「建具屋としての経験を活かし、量産品ではなくオーダー品にこだわっています。補修工事などのアフターサービスにも力を入れており、好評を得ています」と武石会長。石材店の参入で競争相手が増える時期もあったが、関東人大はこのような特色を武器に厳しい競争を勝ち抜いてきた。


 穴を開けた後の端材などを再利用することで、廃棄コスト削減や環境への配慮にも積極的に取り組んでいる。コースターや小物入れなどを製作し、アメニティや面白商品として販売している。中でも、“庭用簡易飛び石”は質の良さと低価格が評判となった。


●息子に道を譲り新たな特色を

 「不況下の今こそ、先を見据えた準備をすべき」と息子・保夫さんに経営を引き継ぐ準備を行っている。77歳ながら今も最前線で活躍している武石会長も、今後は後方から保夫さんをサポートしていく態勢だ。


 職人気質の人柄と、磨き抜かれた実力を武器に成長を遂げてきた関東人大は、世代交代を果たすことで新たな魅力の創出を目指す。


関東人大株式会社
代表取締役会長 武石民夫
住所:高崎市上大類町323-3
TEL:027-352-0015
FAX:027-352-1621

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年3月号

高崎の都市戦略 最新記事

勝ち残る専門店

グラスメイツ
グラスメイツ
メガネ店の店員も買いに来るメガネ専門店
辰巳
辰巳
印傳と陶器の専門店/県外からもお客様
有限会社三洋堂
有限会社三洋堂
パソコン全盛時代に書道のおもしろさを伝える

すべての記事を見る