難病に立ち向かう“研究者魂”

(2010年5月)

難病に立ち向かう“研究者魂”ミサトール

難病に立ち向かう“研究者魂”代表取締役社長 足立 正一さん

アダバイオ株式会社

 

 足立さんはかつて、“免疫でがんを治す”という研究に取り組み、賛同した仲間とともに日本抗体研究所(現(株)JIMRO〈ジムロ〉)を立ち上げ研究開発に没頭した。


 失敗と試行錯誤の連続だったが、20年の歳月をかけて厚生労働省が指定する難病の一つである「潰瘍性大腸炎」に有効な血球成分除去療法を開発した。画期的な療法として、海外からも高く評価され、自ら課した大きな役目を一つ果たした。


 そんな足立さんの下に、ある日箕郷の梅農家が、梅ジュースの製品化の相談にやって来た。梅肉エキスの成分を分析してみると、なんと驚いたことに、がん細胞とがん細胞に味方する炎症関連細胞に寿命死を誘導する有効成分があることがわかった。しかも天然の食品なので副作用もない。「探していた夢の素材との運命的出会いでした」と当時を振り返る。


 足立さんは、それまで在籍していた研究所を去り2002年に起業し商品開発に着手した。青梅濃縮液にはトリテルペノイドなど、健康に役立つ成分が豊富に含まれているため、機能性食品として商品化することを決め、梅農家と共同で開発した青梅濃縮液「ミサトール」ができあがった。


 「ミサトール」は、地元新聞社などに取り上げられることもあったが、当初は単なるサプリメントと同等に扱われ、足立さんの本意は伝わらなかった。


 健康食品ブームの中で淘汰されないために、医療の最前線で認知される必要性を痛感し、地道に医療機関での利用を促し商品の信頼性を高めることに全力を注いだ。


 8年が経過し、がん細胞の死滅につながる作用があること、そして肝機能障害を改善する効果もあることが、大学病院での臨床試験で実証され、医学会等での学術発表や、権威ある米国のがん研究専門誌「キャンサー」でも紹介された。時間をかけて足場を築いてきた成果がやっと実った。


 御年71歳。「本来ならとっくに引退です」と笑う足立さんは、趣味の釣りを封印し、研究者としての大きな使命感を背負いながら、難病患者を救いたい一念で更なる研究開発を続ける。


ちょっと一言
青梅濃縮液「ミサトール」は、1包に梅2~3個分の成分を含み、水に溶かして飲む。全国の医師をはじめとする医療機関の推薦を受け病院内売店や調剤薬局で販売され、直接電話やネット通販も行っている。愛犬に与えたところ口腔内腫瘍が大幅に改善され、足立さんはその過程を興奮しながらカメラにおさめた。「長年研究をしてきて初めて妻にほめられました」と笑う。


アダバイオ株式会社
代表取締役社長 足立正一
住所:高崎市剣崎町21-2
TEL:027-343-8601
http://www.adabio.co.jp/

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年5月号

高崎の都市戦略 最新記事

勝ち残る専門店

グラスメイツ
グラスメイツ
メガネ店の店員も買いに来るメガネ専門店
辰巳
辰巳
印傳と陶器の専門店/県外からもお客様
有限会社三洋堂
有限会社三洋堂
パソコン全盛時代に書道のおもしろさを伝える

すべての記事を見る