地震が来ても、大丈夫?

(2010年10月)

8月末、高崎市役所で行われた無料耐震相談会

同社が手がけた免震ビル(三鷹市)

小澤社長

株式会社 You&You建築設計

 建築設計には、意匠と構造・設備設計の3種類がある。意匠部分と違い、構造部分は重要であることは分かっていても、目に見えない部分であるため施主には分かりにくい。しかし、平成17年の構造計算問題を契機に、人々は建物の構造について着目をするようになり、平成19年から構造設計1級建築士という資格が生まれた。

 小澤さんは1級建築士、構造設計1級建築士と両方の資格を持っている。住宅を新築する時、「このデザインで耐震は大丈夫ですか」と質問する施主はまだまだ少ない。「目に見えない部分であることと、地震による災害が少ないと思われがちな土地柄、災害が起こる前に対処するという意識が少ない人が多いですね」と耐震設計の重要性を語る。意匠同様構造についても施主は設計士との打合せが重要である。

 群馬の人に、もっと建築の骨組みの大切さを知ってもらおうと、昨年、一般社団法人群馬県建築構造設計事務所協会を設立した。構造建築士が所属する事務所55社すべてが加盟し、小澤さんが会長を務めている。

 同協会は今年の防災期間中、高崎市役所で市民を対象に住宅の耐震補強に関するビデオ上映、耐震相談会を無料で行った。相談に来た人は41人。ほとんどが補強の必要な住宅に住んでいた。

 昭和56年5月以前に建てられた建物で、増築をした、開口部が多い、壁が少ない、屋根が重いなどの場合は、特に耐震診断が必要だ。改修に要する平均的な費用は150万~200万円。耐震補強に関する補助金制度が、県内ではあまり行われていない中、高崎市では50万円を限度とし、工事費の3分の1の補助が受けられる。既設の住宅では、リフォーム時に合わせて耐震補強を行うことを勧める。

 「もっと多額の補助制度が出ている都市もあります。高崎でもっと補助金を受けるためにも、皆さんが問題意識を持ってほしい。そうすることで、安全なまちづくりができ、設計士のレベル向上にもつながりますから」。これからも相談事業や研修活動を積極的に続け、耐震補強の必要性をPRしていく。

意匠と構造のバランス感覚が大事

 小澤さんが設計の際にこだわるのは意匠と構造のバランス感覚。どちらを優先しすぎてもいいものは出来ない。使う人の身になり、居心地の良い建物、使い勝手の良い建物、そして安心安全な建物の設計を心がけている。

代表取締役・小澤幸一
高崎市緑町1-3-2-203
電話:027-363-6308
FAX:027-363-6048
http://www.you-youk.com/

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