苦渋の業態変換。県内初の産廃複合処理施設へ

(2011年1月)

選別破砕機械(左)と選別機械(右)

工場内はミスト噴霧により粉塵・臭気を徹底防止

小林社長

株式会社関口フレーム

時代の流れをリサーチし業態変換

 「生き残るために、過去にとらわれず、断腸の思いで決断しました」と小林さん。平成22年4月から産業廃棄物加工施設として新しいスタートを切った。昭和30年の創業以来、株式会社関口フレーム製作所として農業用の小型運搬車両などを中心に製造してきたが、時代が移り変わり、業界が衰退してきたことや輸入製品に対し、価格的に対抗できなくなったことなどから、業態変更を検討。産業廃棄物施設としては、後発のスタートであるが、既存の建物の大部分を、新業態のための施設に生かせることや、この業界の将来性があることから、約6年の歳月を経て構想を練り、今回の決断に踏み切った。

 同社は、企業などから排出された産業廃棄物の加工を行う中間処理施設。産業廃棄物の選別や破砕、脱水や中和などの作業を行い、最終的にはセメントの原料やボイラーの燃料として出荷するものもある。

先進的な処理施設で時代を先読み

 産業廃棄物を処理するためには、群馬県の認可が必要であるが、廃油、汚泥、廃プラスチックなど、廃棄物ごとに認可をとらなくてはならない。取得した産業廃棄物の認可は、全部で16種類。これらの認可を同社は約4年かけて取得した。

 かつて、群馬県は建設関係の企業が多く産業廃棄物処理業者は、全国的に見ても多い。しかし、そのほとんどが解体業者で、同社のような16種類もの産業廃棄物を処理ができる複合加工施設は県内初である。

 環境保全のために、産業廃棄物処理業者の認可基準のハードルは年々上がっている。そのために同社にあるのは最新の設備。分解洗浄施設は日本初のもので、アスベスト使用機器の分解などにも使えるように厳重管理され、気圧、気温、風の量などを調節している。選別破砕分別室では、霧が常時噴霧され、粉塵が飛び散らないように、周辺環境にも気を配っている。

 この業界は、得意先との信頼関係がものをいう世界。新規参入は難しいが、高レベルの処理が可能な施設であること、交通のアクセスが良いことが武器となり、廃棄基準の高い東京、埼玉、神奈川など、関東の企業約150社とすでに取引をしている。

 「多様な産業廃棄物が処理できるので、使い勝手がいいように使ってもらえたらと考えています。また、市街地の近くに位置しているので、もっと市内の業者にも知って欲しい」。地元に育ててもらったことに常に感謝しており、これからも地域に恩返しをしていくつもりだ。

株式会社関口フレーム

代表取締役社長:小林文一
高崎市倉賀野町2642
TEL:027-346-3131
FAX:027-346-3135
URL:http://www.sekiguchi-f.com/

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