夫のピンチを妻がチャンスに

(2011年4月)

県内初の“ねこがいるカフェ”『キャッツプラネット』

 「ねこ」と「カフェ」と「占いの館」がひとつなった、新しいカタチのカフェとして、『キャッツプラネット』は昨年5月にオープンした。濱吉さんは、もともと高崎市内の広告制作会社に勤めており、夫の修さんは東京に遠距離通勤とよくある共働きの生活を送っていた。その夫婦に、突然夫のリストラが降りかかった。

再就職先を探しても条件があうものがなかなか見つからず、それなら「定年後はのんびり喫茶店をやりたい」というプランを、ちょっと早いが実行に移すのも手だと考えた。博美さんは、飼い猫3匹に向かって「ねこカフェのスタッフやる?」と問いながら、修さんと自分の心を確認した。そして1カ月もすると、夫も真剣にねこカフェの起業に取り組もうと決意を固め、二人で動き出した。

博美さんは仕事柄、リサーチやプレゼンテーションが得意で、商圏データや人口分布図まで入れて40ページにも上る事業計画書を作って金融機関に持ち込んだ。しかし、県内では前例のない事業からか、あまり良い返事がもらえず、苦戦の日々が続いた。しかし、最後には担当者と何度も相談をくり返しながら問題をクリアし、融資を受けることができた。保健所への申請も県内では前例がないだけに苦労したが、当初計画したカフェのスタイルを何度も見直しながら、ようやく認可を得ることができた。

また、店舗デザインやパンフレットなども博美さんがイメージを広げ、仕事で得た人脈の手を借りて明るいポップに仕上げ、バリアフリーなどのやさしさにも配慮した。

一方、修さんも創業塾やコーヒーショップのセミナーなどを受講。動物取扱責任者、食品衛生責任者などの資格取得や、ねこスタッフ集めとその健康管理にも奔走し、内側から開店の準備を進めた。そして、それまで全国で活躍していた博美さんの実母・町田はるみさんに、占いコーナーを担当してもらった。こうしてリストラ事件後、14ヶ月目でオープンにこぎつけた。夫婦二人三脚は、まだ始まったばかりだが、「新しい夢はもう頭の中にあります」とすでに先を見据えている。

濱吉 博美さん

Cat's Planet(キャッツプラネット)
  • 住所:高崎市中居町1-9-1
  • TEL:027-353-8133
  • 営業時間:平日11時~21時、土日祝日8時~20時
  • 定休日:水曜日(祝祭日の場合は木曜日)
  • http://www.catsplanet.jp/

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