全国屈指のブロックメモメーカー

(2011年5月)

3側面写真のブロックメモは1個から注文可能(たとえば、サイズ7cm×12cm×7cmの価格は850円)。

リード工業株式会社

アイデアと独自の技術で自慢のブロックメモ

 イラストや写真、社名やロゴマークが側面に印刷されたキューブ型。晴れ着女性やペットの写真が印刷された直方体型。「一体どうなってるの?」と思わず興味を引かれる、ねじれた状態がオブジェのようなタワー型。ショーウィンドーに飾られたカラフルな積木のようなものは、同社製造の〝ブロックメモ〟。

 同社は、一側面が糊づけされ紙が1枚ずつサッとはがせるメモ帳の全国屈指のメーカーだ。大手金融機関や保険会社をはじめとする企業のノベルティーから、結婚式や成人式など記念日を演出する個人向けグッズとして、小ロット生産にも応じている。

商品をラッピング中。企画、デザイン、印刷、包装、を全員で担当。

独自の技術でメモ帳の可能性を広げる

 メモ用紙を一枚だけつかんで持ち上げても、本体から離れてしまうことはない。机に置いて横からはがせば簡単に一枚はがれる。この優れた機能は、独自の接着剤と塗布技術により実現したもの。紙質や気温・湿度によって数種類の接着剤の配合を微妙に変えるなど、5年をかけて接着剤の開発とノウハウの蓄積に取り組んできた。「炎天下に何日も放置したり、二階から放り投げたり、耐久テストを繰り返しました」と大塚社長は当時を振り返る。

 さらに、厚物断裁は難しい中、独自の技術で比類のない厚さ24センチの断裁を可能にし、ねじっても割れないオブジェのような“タワーブロックメモ”を実現した。また、ブロックメモの側面に印刷する技術も独自で開発した。

代表取締役の大塚さん

チャレンジの原動力はメモ屋のプライド

 同社は、昭和55年に東京都北区で製本業を創業し、伝票やメモ帳などを受注生産していた。そして昭和61年に、高速道路の整備やインターネット時代の到来を視野に、大塚社長の母の出身地・下仁田町に近い上信越自動車道・吉井インター付近に移転。日本一の“メモ屋”として業界をリードしたいという思いを込めて社名を「リード工業」に改称した。

 「他社に真似されるような品物でないと、ニーズを掘り起こせません。あえて技術は教えませんが、模倣は大いに結構。当社の商品への愛着や工夫、努力はどこにも負けないと自負していますから」。手がけた“ブロックメモ”を眺めながら、「一枚一枚はがしていくと、側面の印刷物が欠けてしまうので使えないという人もいます。使えないメモ帳というのもなかなか面白いでしょう」と笑う。

 「遊び心」をキーワードにした商品開発で、“メモ帳の枠を超えるメモ帳”の創造と、新市場の開拓に挑む。

代表取締役 大塚伸一
高崎市吉井町矢田1013-1
TEL:027-387-2807
URL:http://www.reed-s.com

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