変化とチャレンジで生き残り

株式会社成電工業

(2011年8月)

LEDランプ「SELELA」LEDランプ「SELELA」

代表取締役 滝沢啓さん代表取締役 滝沢啓さん

 1971年の設立以来、自動化された装置や機械を制御する配電盤などの設計・製造を主体に、半導体製品の加工などをおこなってきたが、2008年秋のリーマンショックで、外需に依存していた本業は大きなダメージを受けた。

 その後、リスク分散の必要性から新たな事業を模索し始めた滝沢社長が選んだのは、LEDランプの製造と農業分野への参入だった。

LEDランプのメーカーに

 LEDランプの製造メーカーとしては後発であるが、取引のあったLEDの国内トップメーカーである日亜化学工業のLED素子を採用し、主要部品は純国産製でありながら価格は一本8,900円に設定し他社との差別化を図った。また、保証期間も国内最高クラスの5年保証で品質の高さには自信がある。

 節電対策も重なり事業は追い風に乗ったが、メーカーという重責を担う新たなチャレンジが始まった。

完全人工光型植物工場内で栽培される野菜完全人工光型植物工場内で栽培される野菜

野菜も生産

 「スタートして1年半、昨年暮れごろから売れる野菜ができるようになり、今は市内のホテルや軽井沢のレストランなどに出荷しています」と話す滝沢社長。

 なんと、もう一つの新規事業として、電気制御や半導体など従来からの技術を応用し、自社工場内で葉もの野菜の栽培に乗り出した。

 水や空調、蛍光灯・LEDなどで湿度や温度、明るさなどを人工的に制御し、計画的な野菜の生産が可能。食の安全に危機感がつのる昨今、クリーンルーム内で栽培された野菜は、病原菌や病害虫の心配がなく無農薬。価格や品質も安定しており好評だ。

 急激な環境変化で食料問題が深刻化する中、安心・安全で安定供給のニーズはあると分析する滝沢社長は、今後さらに自社で蓄積した栽培ノウハウなどのソフト面と併せ「完全密閉型栽培システム」としての販売を視野に入れている。レストランなど店舗内用ディスプレイとしても提案する。

 創業から40年を経て、機械の制御機器、半導体製品の加工からLEDランプメーカー、そして滝沢社長の念願だったという農業分野への参入など、常に新しい事業に取り組んできた。

 何度も試行錯誤を繰り返しながら、時代の潮流を見据え新しい分野に挑戦している。今後も斬新なアイデアと攻めの経営は続く。

株式会社 成電工業

高崎市上豊岡町571-9
TEL:027-343-5111
URL:http://www.seidenkogyo.co.jp/

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