合併までの千日間を綴る

(2009年3月日)

合併までの千日間を綴る榛名地区で行われた発刊記念会

榛名住民運動の記録誌を発刊

 高崎市・榛名町の合併を成し遂げた住民運動の有志による「榛名二十一世紀の会」が、二月二十六日に記録誌「扉からドラマ」を発刊した。

 高崎市・榛名町の合併記録誌「扉からドラマ」は、住民運動が芽生えた平成十六年一月から、合併が成就し運動体が解散する平成十八年十月までが刻銘に記録されている。

 榛名町では、平成十八年十月に高崎市と合併するまで、粘り強い住民運動が行われてきた。平成十六年三月の合併協設置、十七年五月の住民投票条例、十七年九月の町長解職請求と署名活動だけでも三回行われている。最後は自立を主張してきた町長石井清一氏と、合併運動の中心となってきた富澤素行氏の町長選一騎打ちが平成十七年十二月に行われ、富澤氏の勝利で町の方向が決着した。

 住民投票で、八十五票差で合併反対が上回り、合併への大きな壁となったり、石井町長と議会の紛糾したことも、住民運動の力として転化されていたことが、記録誌から伝わる。  「扉からドラマ」の書名は、署名集めで町内を歩き尽くした活動を象徴している。玄関の扉をノックし、住民と対話していくことで、合併というドラマが始まった。同書は運動記録、新聞記事や資料のスクラップで構成。膨大な資料の整理と編集に九人の編集委員が一年四カ月をかけた労作。大勢の住民が寄稿し、まちづくり提言としても高い価値を持っている。

 発刊記念会で富澤素行会長は「住民運動の記録を残すことができた。自分たちの活動に誇りを持ってほしい。みんなの力があれば、榛名地域のまちづくりは必ず達成できる」とあいさつした。編集委員を代表して田島三夫さんは「初めは合併の記念でどこかに石碑を建てようかという話もあったが、記録誌をつくり、住民の心に刻む込むのが一番いいと思う」と話した。

 来賓の松浦市長(代理・木部純二代表監査委員)は「平成十八年十月一日に大きな扉が開かれた。記録誌には、ふるさとを思うみなさんの気持ちが幾重にも交錯している。高崎の未来は市民の力で開いてこそ価値がある」と祝辞を述べた。また、榛名の住民運動の勉強会で講師をつとめてきたNPOぐんまの熊倉浩靖代表は、地域の歴史をひき「群馬は古くは久留馬と呼ばれていた。群馬郡が、化粧直しをして新高崎市になった」とあいさつした。

 記録誌はA4版213頁。頒価二千円。問い合わせは榛名二十一世紀の会 TEL:374-3156。

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