観光資源の活用や整備が不十分

(2009年3月日)

観光ビジョン研究会が提言

 高崎市観光ビジョン研究会が、本市の観光振興計画策定に向け提言をまとめた。観光受け入れ体制の充実など六つの視点から方向を考察している。

 高崎市の豊かな地域資源を活用し、市の活性化につなげるため高崎市の観光政策に期待が集まっている。高崎市観光ビジョン研究会は、商工団体、宿泊業、旅客運輸業などの実務者を中心に、十九年度から現実的な観光政策について検討してきた。

 研究会は、交通基盤や市民の意識、情報活用、地域間連携における課題を指摘している。高崎市が実施した平成二十年度市民アンケートで、高崎市の印象は「北関東の交流拠点として交通網が発達したまち」が第一位で67・9%だったのに対し、「多くの観光客が訪れる観光のまち」は最下位の11・4%。行政への要望でも、観光分野は低い数値で、市民意識の低さがうかがえた。高崎市の観光行政は、これからという状況だ。

 高崎市は地方都市屈指の交通拠点性を持っているが、拠点駅から観光地への交通網、いわゆる二次交通の弱さが以前から指摘されてきた。積極的に旅行客を受け入れる体制づくりが必要だ。豊かな地域資源も観光として十分に生かしているとは言えない。また、市民自身も多様な観光資源に囲まれているにもかかわらず、認知していない現状がある。名物と言われるような高崎固有の食資源のイメージが薄く、今後売り出し方を考えていく必要もある。高崎市にとどまらず、広域連携で市域を越えた観光交流の拡大の必要性も指摘されている。

 課題への取り組みとして、祭りやイベントなどを観光の核として活用、物産館など観光拠点整備、産業観光や地産地消、自然活用などの体験観光の充実、情報発信などが提案された。

 高崎市の観光コンセプトとして、①地域固有の生活や文化に関わる資源をありのままに魅力的に体験できるメニューづくり、②地域の人が楽しみながらおもてなしできるよう観光客へのきめ細やかな受け入れ体制整備、③地域に眠る貴重で魅力的な資源を発見・発掘し磨きをかけることでさらに魅力を高める、④必要な人に必要な情報が提供できるよう情報を一元化し幅広い情報の受発信システムを整備、⑤高崎の観光イメージを幅広くPRするためにキャッチフレーズやカラーを統一し積極的にアピール、⑥市内にとどまらず近隣地域や県全体、他県も含めた広域的な観光連携を図り地域一体となった観光施策の推進、が示された。

 二次交通や観光拠点など基盤整備は行政主導によるところが大きいが、観光資源を磨きあげ、おもてなしや高崎ブランドを創出するのは市民の力だ。また実際に観光資源となる美術館など文化施設や文化イベント、寺社博物館などの文化財、農業体験や振興施設、公園・まちなみなど都市計画・景観、商業イベント・中心商店街振興等の各部局の施策に、観光戦略を盛り込む必要性も議会から指摘されており、これからの展開が注目される。

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