思いやりの心を大切に/人権フェスティバル

(2009年12月1日)

思いやりの心を大切に/人権フェスティバル会場から合いの手や掛け声も

 11月18日、高崎シティギャラリーで「人権フェスティバル」が開催された。  松浦市長は「本市は平成七年十一月に人権尊重宣言都市宣言をして以来、人と人とをふれあいを大切にした、いたわりの心がいきわたる、市民生活の充実した高崎市を目指し、人権啓発教育に関する様々な施策を実施している。本日の人権フェスティバルもそのような取り組みの一貫として『みんなで築こう人権の世紀』を合い言葉に本市が掲げる精神を広く市民の皆様に呼びかけていく。人権について改めて考える良い機会となることを祈念し、今後とも本市の人権啓発の尚一層のご理解ご協力を」とあいさつ。

 中島教育長は「インターネットを通して犯罪に巻き込まれたり、親から虐待を受けたりなど、これまでにはなかった人権侵害が生じ、子どもの健全育成にとって大きな課題となっている。人権の確立した社会は二十一世紀に生きる子どもたちのために実現されなければならないもの。今回の人権フェスティバルが地域社会に大いに生かされてほしい」と話した。

 津軽三味線演奏家・長谷川一義さんが演奏を披露。曲の間に幼少時代を語った。

 両親とも目が不自由で、長谷川さんは父と一緒に門付けをして回ったという。父が三味線、母が民謡を歌い、その日の暮らしを立てていた。その生活から長谷川さんは陰口、先生の心ない言葉、いじめで苦しんだという。両親を憎み「どうして家だけ、こんな仕事なの」となじったこともあった。しかし、今では大勢の人の前で三味線が弾け、ありがたいと話した。

 落語家・林家染丸さんは「人権は身近な問題・みんな尊い命だから」をテーマに笑いを交えながら講演。内容は以下の通り。

 裕福な暮らしはしていなかったが、近所づきあいが厚く豊かな人情はあった。大人から「いってらっしゃい」と大きな声をかけてくれたので、私も自然と大きな声で「いってきます」とあいさつをすることができていた。子どものうちから社会のルールを自然にわかりやすい方法で教えてあげることが大切。

 社会は持ちつ持たれつ。「よその子だからいいや」ではなく、大人も子どもも一緒になって地域をよくしていこうという気持ちがなければいけない。

 テレビができてから顔を見合わせて話すことが少なくなったように感じる。便利になるにつれて忘れられていくこともあるが、大人は子どもにたくさん話しをしてあげてほしい。想像力を育ててあげてほしい。

 私が入門して最初に教えられたことが思いやり。「気づかってもらえれば嬉しいし、褒められたら嬉しいでしょう。思いやりは相手の事を考えてすることだけど、いつか回り回って自分のところに戻ってくるもの」と教えられた。

 人権も同じだと思う。みんな自分の人権を守ってほしいと考えていると思うが、自分の周りの人を守ってあげたらいい。自分も守ってもらえる。

 人間の幸せはお金があることではない。みんなからどれだけ愛されたか、尊敬されたかで人間の値打ちが決まる。どれだけ頼りにされたかが、その人の財産。みんなから大事にされたな、やるだけのことはやったなと思って死ねるのが人間として一番幸せな生き方だと思う。

 人生は長いようで短いから、その間に一生懸命生きた、人間らしく生きたという実感を味わうことが本当の幸せだと感じる。

 尊敬されたいと思ってやるのではなく、相手の事を考え、尊重し、愛し、大事にし…そのようなことをずっとしていれば自然と自分もそのようなことを返してもらえるようになる。

 私もみんなに笑ってほしくて腕を磨いている。お金儲けだけでやっていたら、甲斐がない。みんなの笑顔が見られて、今日も落語をやって良かったなという気持ちになれる。芸は人なり。落語家は人間を磨くことが一番大事。

 ユーモアは人間にとって大切。その中から優しさが生まれる。その気持ちがあればまた他の人を思いやる余裕もでてくるし。自分、近所の幸せ、地域の幸せ…だんだんと幸せ、みんなの思いやりがひろがっていく。  最後は変わった落語「絵話し」で締め、会場からは大きな笑いと拍手が沸いていた。

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