高崎人情市 まちの活性化をめざして10年

(2010年3月3日)

高崎人情市 まちの活性化をめざして10年人情市に出店した釜石市から特産「桜牡蠣」

商店街との連携・まちなか誘導など課題

 毎月、もてなし広場で開催されている人情市が2月28日に130回となった。当初、高崎市が立ち上げた朝市を母体に、市民主体の事業として十年が経ち、人情市は高崎の名物イベントとしてまちなかに人を集めている。

 人情市の前身となる「高崎朝市」は、平成11年(1999)6月に、高崎駅西口北側の国鉄清算事業団所有地で始まった。高崎市、高崎市総合卸売市場が中心となり、月二回朝5時から8時まで開かれた。高崎朝市は半年で終了し、まちなかの活性化のために市民開放されたもてなし広場の活用とあわせ、人情市へと発展的に移行した。翌年の6月にもてなし広場で最初の人情市が開かれた。朝市にも携わり人情市の初年度実行委員長を務めた島津洋一さんは、「中心市街地で定期的に市を立て、来街者を集め、まちなかを活性化させようと取り組んでいた」と振り返る。その後、亀田又士さん、片貝喜一郎さんが実行委員長を継いだ。

 最初の朝市から数年が経過する中で、60人ほどいた実行委員会メンバーが6人に減少してしまった。月に4、5回の打ち合わせや保健所への届けなど開催準備のための労力も大きくなっていた。残った6人の結束は強く、自分たちで出資しあってNPO法人「高崎やるき堂」を平成14年に立ち上げ、平成15年に高崎観光協会から人情市の委託を受けている。行政主導から市民の自主運営に転換し、成功させた高崎らしい事業例と言える。

 現在人情市には、130店舗ほどが出店し、新鮮で安い野菜や魚、出店者自慢の飲食が並ぶ屋台が魅力。会場ではコンサートや雷舞なども行われ、毎回工夫を凝らして遊び心いぱいの開催されている。

 朝6時半から7時に会場を設営すると、月一回の商店街が立ちあがる。7時過ぎにはお客様が集まり始める。高崎やるき堂代表の関口真作さんは「おいしい食べ物や掘り出し物を発見するのが人情市の楽しさではないか」と言う。また人情市に出店している黒沢病院は、臨時診療所の許可を取り、来場者の健康診断を行っており、毎月定期的に利用している来場者もいるそうだ。四年ほど前から高崎高島屋前に第二会場を設けて、こちらも好評となっている。

 人情市がまちづくりに果たしている役割は大きい。130回目の人情市では、岩手県釜石市の沖合三陸漁場から採れたての新鮮な魚貝類が直送販売され、来場者の行列ができた。釜石市からの出店は昨年来3回目で、高崎での人情市の存在を知り、釜石市の方から出店希望があった。今回は釜石市長も表敬のため来高し、松浦市長と懇談。津波対策のため急きょ地元に戻る一幕もあったが、人情市は、全国から注目されるイベントになってきている。  関口さんは「商店街にも集客できるように連携していきたい。初めて人情市に来たと言うお客様が毎回いるので、まだまだやるべきことはあると感じている。出店者には感謝している。これからも変わらぬ熱意で続けていきたい」と話している。

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