高崎市長選 立候補者三氏に聞く

(2011年1月13日)

高崎市長選 立候補者三氏に聞く高崎市長選 立候補者三氏に聞く高崎市長選 立候補者三氏に聞く左から、富岡賢治氏、中島篤氏、松本基志氏。

市長選出馬の抱負や政策を聞く

 今春の高崎市長選に現在出馬を表明している富岡賢治氏、松本基志氏、中島篤氏に立候補の抱負などを聞いた。現職の松浦市長が不出馬を表明し、24年ぶりの新人だけの市長選となり、激しい選挙戦が予想されている。松浦市長が初当選した24年前の「四つどもえ選挙」の激戦を知る人は、今回の市長選は、その再現になるのではないかと話す。年明けとともに、各陣営とも大きく動き出している様子だ。高崎市は4月に中核市に移行し、都市としても大きな節目を迎える。今春の地方選は、高崎のこれからの方向を決める重要な選挙となる。各氏の意見は五十音順に掲載。

高崎市長選 立候補者三氏に聞く

市長選出馬にあたっての気持ちは

富岡賢治氏:大学を卒業し20代から東京で仕事をすることになりましたが、高崎に帰り、高崎のために働きたいと思い続けてきました。平成15年に群馬県立女子大学の学長として仕事をする機会が得られ、国際的な視野に立ち開かれた大学づくりを進めてきました。ふるさとに戻って若者、市民県民のみなさんと一緒に汗をかく中で、高崎市政への思いを強くし、出馬の気持ちを固めました。

中島篤氏:12月1日に、現職の松浦市長が次期市長選に出馬しないことを表明されました。松浦市長不出馬の報で、後援会の方々から「中島が立つべきだ」と励ましの声が多数寄せられました。後援会役員や支持者の方に、政治信条や高崎への熱い思いを伝え、市長選出馬について賛否をうかがったところ、「出馬すべきだ」という意見が強く、12月19日の総会で立候補の意志を固めました。出馬については現職への筋を通し、敬意を貫きたいと考えた結果です。

 もちろん、次期も県議としてがんばってほしいという支持者の声もありました。大澤知事からも厚い信頼があり、県議として市民、県民のために役立ちたいという気持ちも強かった。11月まで、来春の県議選に向けた準備を考えていましたが、支持者の強い支援の中で市長選に出馬することになり、選対も急きょ大きな方向転換をはかることになりました。

松本基志氏:子どもの頃から高崎のために役立ちたいと考え、高崎市内の金融機関に就職し、仕事を通じて中小企業の方や子どもからお年寄りまで多くの市民の皆様と触れ合ってきました。平成11年に高崎市議会議員に初当選し、3期12年、高崎市政に携わり、良い所もそして多くの課題も感じてきました。高崎市は4月に中核市に移行し、新たなまちづくりのスタートの年になります。高崎で生まれ育ち、高崎のために働かせて頂いたこれまでの経験を生かし、市民の先頭に立って、新しい高崎のまちづくりを進めていくために、高崎のリーダーとして頑張っていく決意をしました。

高崎市長選 立候補者三氏に聞く

高崎市の課題や伸ばしたい点は

富岡賢治氏:高崎の最大の長所は、豊かな開放性です。高崎は異なった文化を幅広く受け入れる「異文化共生都市」だと思います。群馬県の中では、交通網や都市基盤の整備も進んでいます。交通拠点として恵まれた条件にあり、県内では豊かな水準にありますが、これからの時代は、都市間競争が熾烈になります。まちが覇気を持ち、国内はもとより国際的にも人が集まる力をつけていくことが必要です。都市間競争を勝ち抜き、一流の都市に飛躍するか、今の水準にとどまってしまうのか、高崎は今、その分かれ目に立っています。高崎の都市力、都市資源を生かす戦略を持ち、まちを変えていかなければ飛躍できないでしょう。

中島篤氏:群馬の知名度が全国的に低いことに、常々残念な思いをしてきました。歴史や文化を発信していくことが必要でしょう。  かつて高崎は「医療砂漠」と評されており、市議会議員として力が及ばないことを県議として実行しようと県議会に出て働かせていただきました。医療、福祉を充実させ、市民の健康と老後を守りたいと考えています。

松本基志氏:高崎ではまちを元気にするため、市民が頑張っています。市民の力を原動力に、賑わいづくり、魅力づくりの大きな成果となるよう、真剣に取り組みます。更に、核家族化や近所付き合いの希薄化が進み、地域における支え合いの機能が弱まっているので、地域コミュニティの再生が必要です。合併により市域が広がりましたが、逆に各地域の町内会をはじめとする各種団体の活動も重要です。高崎の誇れる市民力を生かすため、NPO、ボランティア団体をはじめとする市民の皆さんとともに街づくりを進めます。

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実現したい政策は

富岡賢治氏:総合的な政策を立て、スピード感を持って取り組んでいきます。新しい産業、ビジネスチャンスをつくりだし、高崎の発展の原動力にします。雇用の確保は、市民生活の基礎づくりになります。

 高崎市には群馬交響楽団、六つの大学、30近くの専門学校があります。文化・歴史的資産もたくさんあります。こうした資産を総合的に生かして、魅力あるまちづくりを行い、「首都圏の山の手」と言えるような第一級、一流の経済文化都市にしていきたい。

 安心・安全では、「やさしい眼差しに満ちた市政」を行います。高崎市の子育て支援、小児救急、学童保育は県内では高い水準になっていますが、速やかに日本最高水準にしたい。子育てをしながら自己実現をして、自分の価値を高めることができる、お年寄りの経験や知恵を社会のために生かしてもらう。全ての世代が自己実現できる仕組みをつくっていきたい。そのために、市民、NPO、ボランティア団体との連携協力をお願いしていきます。行政はスリムに、小さな市役所を実現し、市民が主体のまちづくりを進めます。

中島篤氏:市民アンケートでは、8割の市民が「高崎に住み続けたい」という結果が示されたそうですが、市民の願いを実現していきたいと考えています。交通の要衝としての利点を生かした松浦市政の成果も踏襲したい。高崎市に、県の施設が少ないことも、県議として問題だと考えてきました。高崎競馬場跡地についても、方向を示していきたい。新たな財源の確保にも取り組みます。

 4月1日に高崎市は中核市に移行し、新たな発展に向けた大きな岐路に立っています。道州制をみすえた展望も必要であり、政策をまとめています。

松本基志氏:平成23年を、たかさき改革元年と位置づけ、情報公開と市民参加を進めます。市民の声をしっかり聞くために、市長と市民の座談会を市内全域で、定期的に開催します。同じように、職員の意見を聴く機会も増やし、風通しのいい市役所にしていきます。

 子どもからお年寄りまで安心して暮らせるまちづくりには、医療、介護も含めてしっかりと取り組みます。子育て環境を整え、若い世代の定住を促すことは、高齢化社会を支える大切な基盤になります。

 商業、工業、農業、観光の振興を図り、地域経済を活性化させ、定住人口、交流人口の増加を図ります。中心市街地の活性化は、「高崎の顔」としてしっかり取り組んでいきます。

 高崎は全国的に見て都市のレベルは低くないと思いますが、残念ながら都市のイメージやブランド力が弱いと思います。合併により、地域ブランドとなりうる様々な資源が増えたので、これを全国に発信していき、高崎ブランドの確立に取り組みます。住みやすい高崎のまちづくりを戦略的に進めていきます。

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高崎への思いや信条

富岡賢治氏:「高崎のまちはおもしろい」と人々が関心を持ち、注目され、まちの人が胸を張って誇れる高崎にしていきたいと、私は熱い情熱を持っています。高崎で生まれ、育ち、生活することを市民が誇りに思える市政を進めます。大胆でスピード感のある力強い都市経営、責任感と決断力のある公正な市政を実現します。

中島篤氏:高崎に生まれ、育ち、高崎に生き、高崎を思い、高崎を誇りにしています。高崎市議会議員として2期、県会議員として2期を経験し、多くの方の声を、市政、県政に反映させようと「聞く・見る・言う・そして働く」を政治信条にしてきました。一人ひとりの意見に耳を傾け、現場を見て、しっかり発言し、一生懸命働くことが信条です。勇気と情熱を持って高崎市の発展のためにしっかりと働きたい。県議としての仕事は、有権者、県民からの付託を受けているものであり、しっかりと全うしたい。

松本基志氏:戦後の荒廃の中から、先輩方が今の高崎を築きあげてきました。松浦市政6期の成果で都市基盤整備も進んでいます。20年後、30年後の高崎の将来像を市民とともに描き、道州制導入時には州都を目指した取り組みも考えていきます。私の生まれ、育った故郷、愛する高崎を市民が誇れる元気な街にするために、公平・公正をモットーに、全力で取り組んでいきます。

【主なプロフィール】

富岡賢治氏▽昭和21年生まれ。高崎市立塚沢中学校。群馬県立高崎高校。東京大学法学部。昭和44年文部省入省。同53年岐阜県教育委員会学校指導課長。同56年外務省在フランス日本国大使館一等書記官。平成8年文部省総務審議官。同10年同省生涯学習局長。同12年国立教育研究所長。同15年群馬県立女子大学長(同22年退任)など。

松本基志氏▽昭和34年生まれ。高崎市立片岡中学校。群馬県立高崎高校。法政大学経営学部。昭和58年高崎信用金庫入庫。平成11年高崎市議会議員初当選。同15年高崎市議会議員2期当選。同18年高崎市議会議長就任。同19年高崎市議会議員3期当選。総務常任委員会、市民経済常任委員会、中核市移行調査特別委員会各委員長など。

中島篤氏▽昭和29年生まれ。高崎市立長野中学校。群馬県立高崎商業高校。法政大学社会学部。平成7年高崎市議会議員に初当選。同11年高崎市議会議員2期当選。同13年高崎市議会副議長。同15年群馬県議会議員に当選。同19年群馬県議会議員再選。文教警察常任委員会、産経土木常任委員会、総務企画常任委員会各委員長など。

※この記事は各立候補者または後援会事務所に取材し、編集部で構成しました。プロフィールは後援会資料から抜粋しました。

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