たかさき町知るべ
南町(みなみちょう)
江戸時代からの城下まちでの一つで、市街地の南に位置している。北は新田町、西から南は竜見町、南は和田町、東は鶴見町となっている。
この町は、高崎城主が安藤重信(しげのぶ)であった時代の慶安三年(一六五〇)、城下では南端の町であったので、藩主によって「南町」の名がつけられた。
江戸時代この町は、中山道上りの高崎宿への入り口にあたり、新田町との境には藩の木戸が設けられていた。文政一〇年(一八二七)の『諸国道中商人鑑』には、うなぎ蒲焼、御茶漬などの店が紹介されている。
町内で、竜見町、若松町と境を接しているところに、和田城主和田義信(よしのぶ)によって創建された愛宕(あたご)神社がある。この神社は、城下の火防の守護神としてあがめられていた。また、社宝に刀鍛冶長谷部義重(よししげ)が奉納した、長さ三尺五寸一分(一〇六センチ )の大太刀があり、市の重要文化財に指定されている。