松浦市長・原会頭新春特別対談「高崎だからできる新しい都市づくり」

(2009年1月)

ラジオ高崎/平成21年1月1日放送
◇激動の2008年を振り返って

司会:松浦幸雄高崎市長と原浩一郎高崎商工会議所会頭をお招きし、ラジオ高崎新春特別対談をお送りします。


松浦市長:あけましておめでとうございます。市民の皆様方には希望に満ちた新春をおすこやかにお迎えのことと心からお慶びを申し上げます。
 今年が市民の皆様方にとって輝かしい飛躍の年になりますように心よりお祈り申し上げます。どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。


原会頭:あけましておめでとうございます。経済界は100年に一度と言われる激動の中で新年を迎えましたが、朝の来ない夜は無いと申します。それぞれのお立場でがんばって、明るい朝を迎えるように今年一年がんばって参りたいと思います。今年もよろしくお願い申し上げます。


司会:よろしくお願いいたします。あらためて2008年を振り返ってお話を伺いたいと思います。2008年は世界的にも大きな動きのあった年ですが、高崎市に関連して印象に残ったことはどのようなことでしょうか。


松浦市長:昨年4月から「交流と創造・輝く高崎」を掲げた第五次総合計画が始まり、平成23年の中核市移行に向けての準備が開始されるなど、新しい高崎市のまちづくりが本格的にスタートした年だったのです。三月に開幕した第二十五回全国都市緑化ぐんまフェアも市民の皆様、企業、団体の皆様の多大なご支援ご協力によって大成功を収めることができました。
 また、オリンピックイヤーであった昨年は、ソフトボールの日本代表が悲願の金メダルを獲得するなど、高崎関係の選手の大活躍は、私たち市民に夢と希望、感動と勇気を与えてくれたと思っています。


司会:本当にうれしいニュースがたくさんあった年でもありました。


原会頭:経済面を見ますと、さまざまな数字がこんなに乱高下した年はなかったのではないかと思います。昨年の7月に1バレル147ドルになった原油が、あっと言う間に40ドルを割るという乱高下もありましたし、2008年の初めは日経平均株価が1万4千円だったのが、暮れには7千円台にまで、半値まで落ちた。昨年の3月の決算で2兆2千億円の利益を出していたトヨタ自動車が、今年の3月決算では1500億円の赤字に転落するということです。一つひとつの数字を見ましても大変な年であったなとつくづく感じております。
 そうしたなか、高崎市は、いろいろな種を蒔き、水をやって発芽させ、花を咲かようと計画がとてもうまく進んでいるように思います。商工会議所が関係し、会頭が会長を務めた会が二つありました。高崎市中心市街地活性化協議会が検討した「高崎市中心市街地活性化基本計画」は10月8日に内閣府に申請し、11月11日に認可が下りました。5年5カ月間、予算規模で290億円、60事業の計画がスタートし、会議所にとっても印象的なことでした。もうひとつはスマートインターの期成同盟の結成です。大変多くの団体の皆さんにご協力いただいて、36団体に集まっていただき期成同盟が出発し、国、県、関係機関に陳情をすませたところです。


◇創造と交流・輝く高崎づくり 高崎の存在感を示す飛躍の年に

司会:今年取り組んでいきたいことをうかがっていきたいと思います。


松浦市長:今年は第五次総合計画の二年目になりますが、私は安心安全が最重点項目と思っています。高崎市の持つ拠点性、存在感を益々高めて一層豊かな市民生活の実現につなげて参りたいと思っています。
 原会頭が先ほどおっしゃっていたスマートインターの建設は高崎にとって大事なことです。私もスマートインターチェンジ全国交流会の代表を務めていますので、今年は一生懸命建設を進めていきたいと思っています。
 世界的な景気の減速は地方経済にも大きな影響を与えています。会頭から力強い言葉をいただきましたが、今年も高崎市は市民一人ひとりのたくましさ、また個性の輝きを原動力に更なる飛躍と発展をめざしていきたいと思っています。


原会頭:今年は市長が唱えておられる交流と創造、輝く高崎づくりの重要な年になる、出発の年になるのではないかと思っています。
 交流と創造というと、我々はややもすると、他の都市、地域との交流に目がいきがちです。高崎市の中で、人と人、団体と団体との交流がまだまだ図れると思うので、そこから始めて、そこから新しい価値を創造していくのが第一歩かと思います。そこから生まれた価値から、他の都市、地域との交流が出発するのではないかと思っています。
 高崎は立地的にも、歴史的にも江戸へ入る、江戸から出て行く時には必ずこの場所を通らなければならなくなっている。自然に、人、もの、情報が集散する有利性は待っていた。「お江戸見たけりゃ高崎田町」「上州高崎は江戸勝り」という里歌が生まれた土地です。
 信濃から小林一茶が出てきたり、越後から良寛が出てきて江戸へ行く時に、必ず高崎に寄って歌会なり句会をしているんですね。高崎には文化的な素地がもともとあった。松浦市長が、そうした民の力をうまく引き出している。官と民が非常にうまくいって、その力が一つの方向にまとまっているという評価につながっていると思います。松浦市長には、これからも一層、高崎市をリードしていただくようよろしくお願いします。


高崎のまちづくりは市民が主導 合併で農業・観光が重要な視点に

司会:高崎のまちづくりについてお話をうかがいたいと思います。高崎市は市民主導のまちづくりに取り組んでいます。市民参加のまちづくりに関してあらためてうかがいと思います。


松浦市長:高崎のまちづくりの伝統は市民の自由と自立の精神だと思います。市民主体のまちづくりということです。地域社会の創造のために、「市民とつくるみんなのまち」を政策目標に掲げています。中心市街地の活性化のためには、市民のリーダーシップが欠かせないと、私は口癖のように皆さんにお願いをしています。
 昨年十一月に内閣府から認定を受けた高崎市中心市街地活性化基本計画も北関東で初めてであり、商都高崎の再生に向けたまちづくりがスタートしています。概ね5年間で東口周辺や新図書館・医療保健センター建設、城趾地区の拠点整備を行っていきます。音楽や文化イベント、各商店街の魅力づくりなど商工会議所、商店街など関係機関と連携しながら進めていきます。歩いて楽しい商都高崎ならではの様々な魅力に出会えるにぎわい溢れる中心市街地の形成を目指していきたいと思っています。
司会:高崎商工会議所は、高崎で事業を営んでいる企業経営者の立場から、地域経済の活性化など高崎市に対して様々な提案をしていらっしゃると思います。


原会頭:高崎市は松浦市長がうまく民間の力を引き出しています。市長は行政と商工会議所は車の両輪ですから、両輪が同じスピードで同じ方向に進んでいく必要があると話されています。そうしたことを頭に入れながら会議所も進んでいます。
 合併で、高崎が持っていなかった農業や観光がクローズアップされてきたように思います。できれば5つの商工会と商工会議所がいっしょになってしまえば一番いいのですが、各地域の方針もあり短期的には難しいようです。ではそうした中で商工会、商工会議所がどのように一体的になり、高崎市全体の発展に向かっていくか重要になってくると思います。今まで以上に農業や観光を検討課題の中に入れていく必要があります。名前は高崎商工会議所ですが、高崎・農・商工・観光会議所として取り組みをしていかなければならないと、私は折に触れて訴えています。


司会:今月の23日で高崎市が倉渕村、箕郷町、群馬町、新町と合併をして3周年を迎えることになります。この3年間を振り返ってどのように感じていらっしゃいますか。


松浦市長:高崎市は二度の合併によって歴史遺産、豊かな自然、これらを生かした観光名所などを数多く持つことになり、多面的な個性を持つ魅力に富んだまちになったと思います。昨年も榛名湖のイルミネーションを見に行く人で道路が通行止めになるほどにぎわいました。
 高崎市が今まで持っていなかった新しい魅力が生まれてきています、こうしたものを生かしながら今後もがんばっていきたいと思います。
 北関東自動車道が平成二十三年に全線開通、二十六年には長野新幹線が金沢まで延伸される。北陸から見ると高崎が非常に魅力に富んだ拠点に映ってきます。私も昨年、金沢に行ってきましたが、金沢市長、富山市長たちは、私たちが思う以上に高崎を評価していました。高崎には大きな使命があると痛感しています。今後も連携をしながら高崎の持つ拠点性をますます高めていきたいと思います。
 高崎市の各地域の特性を理解し合い、お互いを尊重したまちづくりを進めていけば高崎は、もっともっといいまちになっていくと私は思います。


安心、安全な暮らしを最優先 スマートICは新たな都市を創造

司会:2009年の高崎のまちづくりについてお考えをうかがいたいと思います。


松浦市長:昨年に引き続き、第五次総合計画の将来都市像「交流と創造・輝く高崎」の実現に向けて魅力あるまちづくりを行っていきたいと思います。
 国立病院機構高崎病院との連携によって進めている新病棟が、今年9月に完成し10月に開院になります。地域医療支援センター(仮称)が併設され、小児医療、周産期医療を中心に医療機能が一層強化されます。地域の医療体制の充実に寄与するものと期待しています。
 城趾地区のJT跡地に医療保健センター(仮称)の整備を進めています。ここでは保健所機能を始め、健康増進、疾病予防、休日・夜間医療まで市民の健康をトータルに支える機能を整備するなど、市民一人ひとりが安心、安全に暮らしていけることを最優先にした施策を進めていきたいと思っています。


原会頭:第五次総合計画がスタートし、会議所もこの機会をとらえて新高崎市を総合的に検討するなかで、(仮称)高崎新都市創造委員会を発足させる準備を進めています。昨年の12月17日に第一回目の準備会を開催しました。スマートインターが建設される高崎東部地区の発展、高崎駅を中心とした東西の更なる活性化、高崎市全般に共通することとして食、食べ物を切り口にした活性化が検討課題に挙げられています。高崎の新たな価値を創造するまちづくりをめざし、農業から観光まで高崎独自の幅広い地域資源を有機的に利用していくことを検討するために出発したところです。できたところから市長に提言し、実現をお願いしていきたいと思います。


司会:高崎の魅力が高まっていく計画がたくさんありますね。この時間は松浦幸雄高崎市長と原浩一郎高崎商工会議所会頭をお招きし、ラジオ高崎新春特別対談をお送りしました。どうもありがとうございました。


市長・会頭:ありがとうございました。



(文/菅田明則・新井重雄)

高崎商工会議所 『商工たかさき』2009年1月号

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