食がつくる「街」と「人」の元気/頑張れ地域の飲食店

日本の飲食業を支える地域の飲食店

 我が国には約72万店の飲食店があり、約24兆円の売上高をあげている。飲食業界はバブル期を頂点に売上高も店の数も減り続けているが、日本経済の中で、大きなウエイトを占める基幹産業となっている。そして、その中心は、大手資本の外食産業の存在もあるが、零細企業や個人経営による地域の飲食店なのである。

 地域の飲食店は、美味しい食事の提供とともに、街の賑わいをつくり、地域経済を支える存在である。また今や国民生活に欠かすことのできない「食の安心と安全」を底辺で担っている。

 しかし、料理を“造る”ことや店を“経営”するという総合的な業界振興政策や制度が整備されていないという現状がある。

 厳しい経営環境に置かれている地域の飲食店が、長引く不況や経済構造の変化に対応するとともに、生き残りをかけて消費者と地域の多様なニーズに対応しようとしている。今回の特集では高崎の飲食業界の地道な試みや新たな潮流を探ってみた。

高崎の飲食店数は約2,200店。600億の売上

 「(財)食の安全・安心財団」のデータによると、平成21年の国内外食産業の市場規模は、23兆9,156億円と推計している。この数字は百貨店や総合スーパー、自動車、衣料品などの販売額を大きく上回る数字となっている。

 また、総務省の「事業所・企業統計調査報告」(平成18年)によると、国内飲食店の数は724,295店で、平成3年の約84万6千店をピークに、年々減少している。それでも飲食店は国内の全事業所の約13%を占めている。これは小売業の約半分にあたる数字となっている。さらに、同調査報告によると飲食店の従事者数は412万412人。日本で働く人の100人に約8人が、飲食業で働いていることになる。

 高崎市が平成18年「事業所・企業統計調査」で実施した統計によると、高崎市には2,039店の飲食店があり、1万2,343人が飲食業に従事している。また、西部保健所の直近の調査によると平成22年度の市内飲食店数は2,223店となっている。

 高崎市の小売と卸売の事業所数は、5,009事業所、従事者数が3万9,239人(平成18年「事業所・企業統計調査」)である。この数字からみても、飲食店の数や従事者が高崎の経済活動の中で大きな割合を占めていることがわかる。

 また、平成17年の総務省家計調査によると、外食にかける一人当たりの金額は年平均16万7,567円。これをベースに単純計算すると、高崎市民の外食費は600億円を超えることになる。全てが高崎市内での食事とは限らないが、これに高崎への来街者(年間約600万人)の飲食費を加えると相当な金額となる。

地域の飲食店が抱える多くの課題

 消費の低迷という厳しい状況下にあって「時代による変化とお客様のニーズについていく」ことが、地域の飲食店にも何より求められている。宮崎県の口蹄疫問題や鳥インフルエンザ問題などの食生活に大きな影響を与える感染症問題、ここ数年来、頻発して発覚した食品表示偽装問題など食に関する様々な社会問題を背景に、消費者の食に対する「安全性」へのニーズは高まっている。また、「食のヘルシー志向」「健康」への関心も大きくなっている。

 このような「食」をとりまく大きな環境の変化の中で、地域の飲食店は多くの課題に取組まなければならい状況にある。原産地表示の実施、栄養成分表示、カロリー表示、地産地消の促進、受動喫煙防止対策、食品リサイクル、省エネ対策、バリアフリー対策、介護犬対策……、とても個人経営の飲食店では対応しきれない課題が山積している。加えて後継者問題、大手外食産業やショッピングモールに入居する飲食店との競争等々、前途は多難である。

 このような厳しい状況下にあって、「地域に密着した顔の見える店づくり」「食を通じて社会に貢献する」という街の飲食店の地道ではあるが、真摯な経営努力や、さまざまな試みが高崎でも行われている。

消費者ニーズに応えた生き残り戦略

●高崎の飲食店ウオッチング

 ナショナルブランドの一部を除き、地元の飲食店は、今、非常に苦しい経営環境にある。リーマンショック以降、消費者があらゆる物を買い控えし、外食をせずに家で料理をしたり、買ってきた調理済みの惣菜や弁当を家で食べたりする「中食」と呼ばれる傾向が続き、売上が減少している。

 流通コスト上昇や天候不順による不作の影響で、仕入れ価格は上昇。コストを削減するために、従業員を減らし自ら包丁を握り、切り盛りする店主も多い。拘束時間も長く負担が大きいために、店をたたんでしまうところが後を絶たない。そんな中でも、次の2店は、順調な営業を続けている。

産地表示とバリアフリー

■「焼肉 手打ちそば 利伸」(正観寺町)

 焼肉店「利伸」では、お客さんが安心して料理を食べてもらえるよう原産地表示を行っている。入り口のホワイボードには、肉、魚、野菜の産地を表示。野菜や魚は毎日変わるので、その都度書きかえる。「メディアでBSEの情報が流れた頃から、お客様から“これはどこの肉?”という質問をよく聞くようになりました。それをきっかけに店内に表示するようになりました」と木村安伸さん。

 3年ほど前に保健所の話で「標準営業約款制度」を知った。これは、サービス内容を明確に表示する、施設の維持管理を行う、事故が発生した場合、損害賠償を行う。この3つの要件を満たした「生活衛生関係営業」は、飲食業を含む18種類の業種が申請でき、認可されると「Sマーク」を取得できる。同店では16年前に店舗を作ったとき、土地柄年配者が多く訪れるからと、バリアフリー化を行なった。店舗入口のスロープのほか、申請の要件を満たしていたのでSマークを取得。常連客からも好評を得ている。

低価格で新鮮料理

■「居酒屋 ひろき」(栄町)

 魚介類をふんだんに使った料理が評判で、予約でいっぱいの店として名が知られる「居酒屋ひろき」。日替わりメニューに「淡路島産・太刀魚の塩焼/身がきめこまかい」のように、産地とメニューの簡単な説明を表示している。説明は、群馬の方は魚に精通していない人が多いため。産地表示は、安心・安全のためだけでなく、コミニュケーションのツールとしても役立っている。同店は、駅に近く単身赴任者が多数来店する。出身地が食材の仕入先と同じ人から「そこよりも別の漁港のほうが良いものが採れる」などと現地の情報を教えてくれることもある。

 食材の仕入先である魚屋も強い味方。天気が悪くて魚が手に入りにくいときは、市場と協力して、すばやく別の漁港から魚を仕入れてくれる。珍しい魚、高価な魚介類を手に入れたいときは、別の荷と抱き合わせて配送コストを抑えてくれる。そのために、珍しく、上質なものが安価に安定供給できる。

 魚の値は下がってきたが、野菜は春先の天候不順以来、高騰気味。そこで、形がまがった規格外の路地野菜を仕入れて調理。「素材に合った包丁の入れ方、調理をすれば野菜の持ち味がさらに引き立ち美味しいです」とオーナーの廣木和成さん。笑顔のサービスとともに、安くて新鮮、美味しい料理への追求が人気の秘訣だ。

産地表示とコミニュケーションで店作り

 2店舗ともお客とのコミニュケーションがよくとれていて、ニーズをきちんと把握している。どちらの店でも産地を表示して、客に安心を与えると同時に、美味しい食材を一生懸命探し、美味しさに対する追求をしていることがPRにもなっている。また、これが店の個性にもなっている。仕入先、同業者、顧客との情報交換ができ、柔軟な考えをもって苦しい環境を乗り切ろうとしている。

●前橋の飲食店が高崎に進出!

 今年に入って前橋から高崎に進出し、注目を浴びている店がある。八島町にある「オステリア チェンティーノ」と、栄町にある「地鶏屋紋次郎」だ。西口、東口の違いがあるが、どちらも、高崎駅周辺の人の流れを期待して、今年の春に出店をした。

競合店が少ない駅西口

■「チェンティーノ」(八島町)

 「チェンティーノ」は、前橋市下小出町にある「バー&グリル チェント」の姉妹店。白を基調とした建物で、オープンテラスにプールがある「チェント」は、6年前にオープン。フォーマルなサービスが好評の本格イタリアンのレストランだ。メインの客層は40~50代。ランチタイムには気軽な友人同士の会食が多いが、夜はコースの予約を入れ、記念日などに訪れる若い人にも人気が高い。

 「チェンティーノは、チェントのセカンドラインとしてオープンしました」と経営する「(株)ユーロブレッツア」の経営企画室の窪田智弘さん。同社は欧州車の販売も行っていて、欧州文化を広めることが社の一貫したコンセプト。アンケートなどを通じ、チェントが高崎の人に知られていないことが分かり、欧州文化を広めるために、高崎にも発信地がほしいとチェンティーノをオープンさせた。チェンティーノがターゲットとするのは20~30代の時代をリードする若い人。高崎駅周辺を歩いている人が同店のターゲットと一致すること、駅周辺はレストランが少ないことなどから出店に踏み切った。予想を上回る売上で、ランチタイムは1日50人ほどのお客が訪れるという。夜は食事の人、お酒を飲んだ後の2件目、3件目の店として訪れる人など客層も来店目的も様々。そのため、手軽なおつまみ料理やピッツァからメインの肉・魚料理など、アラカルトメニューを豊富に用意している。

 素材や料理の技術、ワインの品揃えなどは、チェントと同じだが、カジュアルなサービスを行うことで、リーズナブルな価格で提供し、「気軽な飲み屋感覚」で来店できるようなメニュー構成となっている。前橋、高崎を広くひとつのエリアとして捉え、営業展開。常連になると目的によって2店舗を使い分けしているお客も多い。群馬を中心に、幅広いエリアもターゲットに見据え、今後も食文化の発展を目指す。

安い家賃とサラリーマンが魅力

■「地鶏屋 紋次郎」(栄町)

 飲食店を多店舗展開する「(有)プロペラ・コーポレーション」社長の尾込賢一さんは、昨年6月に地産地消を基本コンセプトとした「地鶏屋 紋次郎」をオープンさせた。同社はこれまでにもバーやドイツ料理店、ラーメン店とバラエティーに富んだ業態を出店。高崎の紋次郎は前橋店に次いで2号店になる。「ヤマダ電機本社が高崎に移転したことで、高崎駅周辺の魅力が増した。自店の高崎進出をいつかしようと思っていました」と尾込社長。東口への出店は、家賃が安かったこと、沖電気、JRなど、電車通勤の会社員が多く、そういう人たちが仕事帰りに自店を使ってくれるのではないか、と考えたから。案の定、メインはサラリーマン客。そういう人たちが週に2、3回来店できるメニュー構成と価格帯を考えた。焼き鳥は地鶏「はるなうめそだち」を使用。1本からオーダー出来る様にすることで品質をキープしながら1品辺りの単価を下げる。「前橋に比べオーダーする料理の単価は低くても、買い上げの点数が多いので、客単価は変わらないです」。尾込社長は、高崎と前橋の人のわずかな行動の違いを指摘した。

高崎というマーケットにあわせた店づくり

 2店舗とも、高崎という土地を色々な角度で分析し、出店に踏み切っている。ユーロブレッツアの窪田さんは「チェントのようなスタイルの店とは違った、カジュアルな雰囲気で気軽に本格イタリアンを若い人にも知ってもらいたい」と語り、プロペラ・コーポレーションの尾込社長は「サラリーマンの毎日の食事に匠の技で焼いた超高級地鶏より気軽に食べられる焼鳥が受け入れられる」と語る。お洒落で食べる事の好きな若い人が多い高崎という土地を分析した結果、チェンティーノはカジュアル度を高くし、紋次郎は大衆要素を強くした。

●大型SC飲食モールの現状

飲食店の売上は13%

 イオンモール高崎には、3階にフードコート、1階にレストラン街がある。現在、フードコートは14、レストラン街は13のテナントの他に、コーヒー店やカフェ、スイーツ店などで構成されている。

 同店は時間消費型のショッピングモールであり、飲食店は重要な位置を占めている。

 専門店のなかで飲食店が占める売上構成は13%ほど。飲食店の売上は性質上、セールやイベントなどのショッピングモール全体の集客に連動する場合も多い。

 基本的な営業は出店契約に基づいて行うが、各々の店の接客・サービスなど、質を高めることや話題づくりも重要である。

 また全体の販売促進活動はデベロッパーのイオンモールが仕掛けづくりを提案し、各店が実施をしていくが、複合商業施設を積極的に活用していく場合もある。例えばシネコンを利用したお客様には、手元に残る入場券の半券を提示することで、飲食各店で特典を受けられる「シネマde グルメ」などショッピングモールにおける相互協力を高めることで、双方の営業効果を発揮できることも多い。

 「お客様が、飲食店に気づき、たどり着き、食事していただくまでのサポートを本部がしっかりと行っています」とイオンモール高崎ゼネラルマネージャー・栗田健二さん。イオンモール高崎をひとつの街として考え、回遊する工夫を行っている。

やはり粉文化を重視

 20代~30代をメインターゲット層とし、その子ども、親、3代が来店して楽しめるよう、料理のジャンルが偏らず、各店のメニューがだぶることがないようテナントを選定。さらに、地域色を出すように心がけている。高崎の場合は、小麦文化が栄えているために、パスタ店だけは例外で3店出店を許可している。契約は平均で6年ごとであるが、業績が上がらず、対策を講じても良くならない場合は、双方で話し合い、テナントを交代することもある。

 テナント募集の際は、思うような店が応募してこないのが悩み。テナントの比率は地元の店、県内初出店の店、ナショナルチェーンの店が同じ比率になるのが理想である。地元店は店に地域色を打ち出す鍵的存在。資金面の問題で、減少傾向にある地元店の出店数をどう維持するかが今後の課題だ。

食がつくる高崎の文化、賑わい
軌道に乗ってきた「高崎田町屋台通り」

 昨年12月11日にオープンした「高崎田町屋台通り・中山道恋文横町」の来場者が、春以降伸び、冬季のほぼ倍となっている。高崎都心部を中心とするまちなかの活性化と地産地消による中山間地域の連携をテーマに、若者たちが夢に挑戦した屋台通りは、開放的で自由な雰囲気を演出している。夢をビジネスとして成立させるため、LLC(合同会社)とLLP(有限責任事業組合)の二つの組織を組み合わせて、事業化に乗り出した。

 オープン前から話題となった屋台通りも、当初は全20ブースの半分以下の7店舗でスタート。屋台ブースや雰囲気を醸し出す設備工事など、考えていた以上の予算が必要となった。また今年の冬は寒さが厳しく、年明けから2月は客数が伸び悩んだが、夜桜まつりなどイベントを仕掛け、3月以降客が増え始めた。5月の来客数は7,347人で、底を打った2月の倍。数字は入店客のみで、オープンスペースの人数は含まれていないので、春以降の実集客は、屋台通りが軌道に乗ってきたと判断できるものになるだろう。

 客一人当たりの売上は1,500円前後。まさしく屋台で「ちょっと一杯」という数字だ。店舗数も5月時点で14店、夏場に向けて更に2店が出店する。屋台通りを応援するサポーター「旦那衆」も現れ、イベント企画も増えている。代表の原寛さんは「日常的に楽しい場を作っていきたい」と考えている。

 屋台通りは、飲食のプロの出店をベースに、高崎での飲食ビジネスをめざす人たちのインキュベーションの役割も果たしている。屋台通りでの産直野菜市「えんがわ市」を開催しているグループ「高崎CIP」は、高崎近郊の農産物を屋台通りの食材として供給するためのビジネスを模索し、屋台通り近くにアンテナショップとなる食堂を高崎まつりにあわせて開店させる予定。

 まちの新たな胎動となった屋台通り。6月23日には出資者に対する中間報告会も開催された。原さんは「厳しい冬を乗り越え客足も伸びている。屋台で新たなコミニュケーションが生まれ、市民に喜んでもらえる場になっている。20ブースを埋め、目的を実現するためにがんばっていきたい」と意欲を見せている。

「食で高崎をGENKIにする会」の立ち上げ

 レストランウェディング「㈲ティープロダクト」社長の平児玉博樹さんが「高崎に、次世代に伝えても恥ずかしくないような、きちんとしたレストランを」と2006年にスローフードレストラン「ロハス」をオープンさせた。

 倉渕、吉井、北群馬郡吉岡町の契約農家から仕入れた、新鮮で安全安心な野菜、足を使って探し当てた調味料などの厳選された食材を使っているだけでなく、消化吸収を考えて、コース料理の順番を決めるなど、一歩踏み込んで、お客様のライフスタイルも考案している。

 シェフたちは、料理レシピはもちろん、栄養素のことなど、トータルに「食」について学ぶ必要がある。平児玉さんは自社だけでなく他社のシェフにも呼びかけ、定期的に勉強会を開いている。

 山形のイタリア料理店のシェフに、スローフードのメニューを教わったり、神戸のステーキ屋さんに経営のノウハウについて話してもらったり。食をいろいろな角度で捉えるにつれ、平児玉さんは、高崎の食文化は低いと思ったという。「高崎の人は、量が多くて安いものばかり好んでいるようです。食べ放題の店がはやるのも、この土地の特徴。私は、食事の本当の楽しさ、素晴らしさを知ることが健康に直結し、高水準の飲食店が立ち並ぶ街にしたいです。そうすれば、経済や文化につながると思います」。そう思って仲間たちと「食で高崎をGENKIにする会」を立ち上げた。

飲食店が変われるチャンス

 同会設立のきっかけは、高崎商工会議所で昨年2月に立ち上げた「高崎新都市創造推進委員会」。新しい高崎市の価値を創造するための会で、「高崎駅東口線研究部会」「高崎駅周辺開発研究部会」「食で高崎を元気にする研究部会」の3部会で構成。平児玉さんは「食で高崎を元気にする研究部会」に所属していた。飲食店の店主が自分達の手で、高崎の飲食店全体を、レベルの高い活気あるものにするための団体「食で高崎をGENKIにする会」を発足させた。

 平児玉さんは、若手メンバー13人とともに音頭をとる役目。メンバーになる資格は、飲食店経営者であること。飲食店の横のつながりを大事にし、情報交換やサポートをしあって、彼が個人的に行ってきた勉強会はこちらに引き継がれ、8月には京都の仕出し屋さんを招く予定。今後、加盟店を平等に掲載したパンフレット作成やウェブサイト「ぐるなび」への登録代行、地元ラジオや雑誌媒体の協力のもと高崎の飲食店をPRする。

 規模が小さい飲食店のオーナーは、朝から晩まで店に拘束され、会議や講習会に出席する時間すらない人が多い。ならば、少しずつ負担しあって一人ひとりの負担を軽減し、前向きな経営を行おうというのだ。また、平児玉さんは、自分がじっくりと時間をかけて開拓してきた仕入れルートもメンバーと共有するつもりだ。

 現在、仕入れの方法は時代とともに変わってきている。以前は市場に仕入れに行く、八百屋さんや魚屋さんに配達をしてもらう方法がほとんどだが、時間やコストの短縮を考慮し、ネットや業務用スーパーなどで購入する店も増えた。仕入れルートが多様化する際に心配なのは、品質に目が届かない仕入れ方法が出現してきたこと。相手が選択したものを受身で購入することに平児玉さんは不安を感じる。安心で質のよい商品が手に入る仕入先を仲間で共有することは、高崎の飲食店で出される食材のグレードがあがることを意味する。さらに、大量に仕入れるため、仕入れ単価が下がるメリットもある。

■ 昨年の秋頃から長く続いてきた外食離れや買い控えをしていた消費者の動向に変化が見られるようになってきている。高崎の飲食店が変わるチャンスは今なのかもしれない。

●高いハードルをクリアしたSマークのある飲食店 知ってますか?

安心・安全の目印・標準営業約款制度登録店

 Sマークは、厚生労働大臣認可の標準営業約款制度に従って営業しているお店。このSマークを店舗に表示しているお店なら安全、清潔、安心が保証され、皆様の信頼できるお店選びの大きな目安となる。 また万一の場合、事故賠償基準に基づいた補償も受けられる。

 このSマークを取得し登録するのには、多くの基準をクリアしないと登録できません。頑張ってる地域の飲食店の目印だといえる。

Sマーク登録店

●安兵衛/あら町●栄寿亭/あら町●とんかつふるかわ/下之城町●食堂 松島軒/若松町●さくら亭/鞘町●Navajo White 成吉思汗/鞘町●とんかつ割烹 とん吉/新後閑町●焼肉 利伸/正観寺町●満寿池/倉渕町権田●メキシコ料理 ティオティア/田町●松邑/南大類町●海辺の料理 志摩/柳川町●Bar White/柳川町●香味亭/緑町●大むら/あら町●そば処 きのえね/旭町●手打ちそば 梅田屋/岩鼻町●大盛庵/江木町●丸味/上小塙町●そば処 和泉庵/石原町●そば処 うちだ/倉賀野町●奈香良/町屋町●一心庵/北新波町

文責/菅田明則・新井重雄

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年7月号

勝ち残る専門店

グラスメイツ
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メガネ店の店員も買いに来るメガネ専門店
辰巳
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印傳と陶器の専門店/県外からもお客様
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パソコン全盛時代に書道のおもしろさを伝える

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